ＣＤ１：
１～３．ピアノ・ソナタ 第10番 ト長調 作品14の2
４～７．ピアノ・ソナタ 第18番 変ホ長調 作品31の3
８～10．ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調 作品57「熱情」
ＣＤ２：
１～４．ピアノ・ソナタ 第28番 イ長調 作品101
５～７．ピアノ・ソナタ 第30番 ホ長調 作品109
８～10．ピアノ・ソナタ 第31番 変イ長調 作品110
イリーナ・メジューエワ（ピアノ）
録音：2009年1月、5月、6月、11月、12月、新川文化ホール（富山県魚津市）
若林工房 【国内盤】
若林工房創立5周年を記念して2008年にスタートしたイリーナ・メジューエワによるベートーヴェン：ピアノ・ソナタ全曲録音シリーズは、これまでに発売した４つのアルバム全てが「レコード芸術特選盤」に輝くなど、各方面から高い評価を獲得しています。シリーズ棹尾を飾る第５弾は、初期から後期に至る６曲のソナタを収録。（うち第23番《熱情》と第28番は二度目の録音。第31番は三度目の録音）。シリーズが進むごとに着実な深化・進化を見せてきたメジューエワですが、今回もまたさらにひとまわり成長した姿を披露しています。第18番フィナーレ（プレスト・コン・フォコ）における疾走感や、《熱情》両端楽章での巨大なスケール感の表出、後期ソナタでの深い精神性や厳格なポリフォニーなど、「これぞベートーヴェン」という内容。緩徐楽章における歌い口も清潔な抒情に溢れたもの。虚飾を排し、ひたすら作品の核心に迫ろうとする真摯な姿勢を通じて、ベートーヴェン音楽の素晴らしさを改めて認識させてくれます。若きロシアの俊英が渾身の力で挑んだシリーズ、堂々の完結です。
「…第30番第2楽章の精妙な変奏曲、第31番終楽章の緻密なフーガなどにおける作曲技法の熟成、深化、ときに遊びここ
