ファビオ・ルイジ(指揮)/MDR(中部ドイツ放送)交響楽団 ドリス・ゾッフェル(メゾソプラノ)、ヴォルフガング・ミュラー=ロレンツ(テノール) 録音:1999年(ライヴ)
QUERSTAND【ドイツ輸入盤】
ファビオ・ルイジ(指揮)/MDR(中部ドイツ放送)交響楽団のMDRエディションの第5弾は、マーラーの「大地の歌」。しかも、シェーンベルクが編曲を手掛けた室内オケ版というのも興味深いところです。もっとも、シェーンベルク自身の作業は未完に終わったようで、全曲の完成は、1983年にライナー・リーンによる補筆を待たなければなりませんでした。楽器編成はフルート(ピッコロ持ち替え)1、オーボエ(イングリッシュホルン持ち替え)1、クラリネット(バスクラリネット持ち替え)1、ファゴット1、ホルン1、パーカッション3、ハルモニウム(チェレスタ兼)1、ピアノ1、弦5部というもので、オリジナルの版に較べて、驚くほど透明な響きと各楽器の色彩がより鮮やかなところがポイント。ルイジは味の濃い表現が身上ですが、2人の歌手の素晴らしい出来のおかげで、近年まれに見る優れた演奏になっています。6楽章まで全く飽きさせない手腕は相当なもの。これまでのルイジのディスク中ではベストの演奏だと思います。古きはワルター盤とクレンペラー盤が双璧ですが、バーンスタイン盤(LONDON)・インバル盤(DENON)に続くレベルの高い内容に驚かれることでしょう。ルイジの「大地