1-6. デヴィッド・マスランカ(1943-)／おお地球よ、おお星々よ(2010)
7-10. カルロス・フランツェッティ(1948-)／交響曲第３番
スティーヴン・Ｋ・スティール（指揮）／イリノイ州立大学ウィンド・シンフォニー
キンバリー・マクカウル・ライジンガー（1-6,フルート）、エイドリアーナ・ランソム（1-6,チェロ）
発売：2012年
ALBANY【アメリカ輸入盤】
吹奏楽の世界では絶大な人気があるデヴィッド・マスランカ(1943-)の「おお地球よ、おお星々よ」は、フルートとチェロと吹奏楽のための二重協奏曲という珍しいスタイルの作品。荘厳な出だしの後、Ｊ・Ｓ・バッハのコラール「イエスよ、わが喜び」からとった主題が提示され、その後ミニマルに近い展開で進む様子はマイケル・ナイマンを思わせます。楽器の用い方が巧みなマスランカならではの神秘的な響きは、とても幻想的で美しく、チェロやフルートが奏でる息の長いメロディも宗教的な祈りに満ちています。第３楽章「サンクトゥス」での星がささやくような蕭条としたチェロの美しさ、それと対比をなすフルートの舞曲風のメロディの快活さは本当に素晴らしい！ふだん吹奏楽に関心のない方でも、この音楽を聴けばマスランカの凄さと現代の吹奏楽の最先端の有様がお分かりいただけることでしょう。
一方のカルロス・フランツェッティ(1948-)は、ジャズのアーティストとして著名ですが、作曲家としては主に映画音楽の世界で活躍しており、グラミー賞を何度も受賞している才人です。「交響曲第３番」は、アクション映画のサウンド・トラックを思わせる快活な音楽でいかにもアメリカ的。
