1. ロイ・マグヌソン(1983-)／求めよ求めよ
2-4. デヴィッド・ギリングハム(1947-)／2008年夏
5-9. デヴィド・マスランカ(1943-)／交響曲第３番
スティーヴン・Ｋ・スティール（指揮）／イリノイ州立大学ウィンド・シンフォニー
ジェイソン・ハム（ユーフォニウム） 録音：2008-2009年
ALBANY【アメリカ輸入盤】
吹奏楽ファンに好評のイリノイ州立大学ウィンド・シンフォニーによる巨匠ギリングハムと若手マグヌソンの最新作に、マスランカの名作「交響曲第３番」をカップリングした注目作。デイヴィッド・マスランカは1943年マサチューセッツ生まれで、現代アメリカの作曲家の中で最も注目されるべき存在の１人。吹奏楽の世界ではすでによく知られた存在で、日本でもすでにカリスマ的な存在になりつつありますが、オーケストラ作品や室内楽曲も多く、非常に幅広い活動をしています。マスランカの音楽は技巧的かつモダンなもので、表現の幅がやたらと広く、沈鬱な雰囲気とロマンチックさがドロドロに溶け合った不思議な作風で、いったんハマったら抜け出せない麻薬的魅力があります。「交響曲第３番」は、５つの楽章からなる45分を超える大作で、ロッキー山脈やインドの風景が反映されているという色彩豊かな音楽です。オーケストラのシンフォニーと比べても全く遜色ないどころか、吹奏楽ならではのサウンドを活かしてマスランカ独自の世界を作り上げており、技巧的で立派な作品です。
まだ20代という若手のロイ・マグヌソン(1983-)の「求めよ求めよ」は、インディ・ジョーンズかと思うほどのジョン・ウィリアムズばりのイケイケの豪快な音楽で興奮間違いなし。吹奏楽の世界では知らぬ者がいない大ベテラン、ギリングハムの「2008年夏」は、事実上のユーフォニウム協奏曲で作曲者の個人的な思い出を優しい情感で音楽化しています。ジェイソン・ハムは、ウェスト・ポイントバンドという軍楽隊に所属しているユーフォニウム奏者で、豊かな表現力を持ったかなりの腕達者です。
