1-5. ファルカシュ(1905-2000)／17世紀の古いハンガリーの舞曲(1959)
6-9. エンドレ・セルヴァンスキー(1911-1977)／木管五重奏曲第１番(1953)
10-15. ジェルジ・リゲティ(1923-2006)／６つのバガテル(1953)
16-19. パヴェル・ハース(1899-1944)／木管五重奏曲Op.10(1929)
プレイリー・ウィンズ木管五重奏団 録音：2004-2005年
ALBANY【アメリカ輸入盤】
プレイリー・ウィンズ木管五重奏団は1996年に結成されたアメリカのアンサンブル。このアルバムでは、20世紀ハンガリーとチェコの代表的な木管五重奏作品が集められていますが、現代音楽的要素は皆無で素朴な味わいある小品ばかりです。ファルカシュ(1905-2000)はリゲティの師にあたる作曲家で、明るく朴訥で親しみやすい音楽を作りました。「17世紀の古いハンガリーの舞曲」は、近年日本でもコンテストなどでよく取り上げられるようになった人気作です。前衛作曲家としても有名なリゲティ(1923-2006)の「６つのバガテル」は、まだ師匠のファルカシュや大先輩バルトークの影響が強い初期の作品で、民族的要素の濃い楽しい音楽です。エンドレ・セルヴァンスキー(1911-1977)は、日本ではあまり知名度は高くないものの、バルトークの高弟の一人。彼の「木管五重奏曲第１番」もハンガリー民謡を元にした楽しい作品で、独特の不思議な響きとリズムがユニークです。
パヴェル・ハース(1899-1944)は、ヤナーチェクに師事したチェコの作曲家ですが、ユダヤ系であったために、ナチスにより1941年にテレージエンシュタット強制収容所に送致され、アウシュヴィッツ＝ビルケナウ強制収容所で処刑されてしまいました。現存するハースの作品はわずかですが、近年再評価が著しく、この「木管五重奏曲」も師のヤナーチェクを彷彿とさせる優れた作品です。ボヘミアやモラヴィアの民俗的なメロディを活かしつつも、現代的な不思議なハーモニーと独特のアンニュイなムードが独特の味わいを醸しています。
