1~3.ブルース・ボートン/チューバ協奏曲
4~6.ジェームズ・グラント/「3つの怒り」
7~9.スティーヴン・ウィンターレッグ/チューバ協奏曲
10~12.バーバラ・ヨーク/チューバ協奏曲
ティモシー・バズビー(チューバ)
ジャコモ・ラファエロ・バイロス(指揮)/アイスランド交響楽団
録音:2008年12月15-16日、レイキャビク
ALBANY【アメリカ輸入盤】
「チューバ協奏曲」といえばヴォーン=ウィリアムズの作品くらいしか思い出せないほど独奏楽器としてのチューバは影が薄い。低音パートを受け持つ縁の下の力持ち楽器だけに作曲家にとっては協奏曲が書きにくかったのは事実でしょう。しかし、ここに管弦楽伴奏による本格的なチューバ協奏曲ばかりを集めたアルバムが登場しました。バックを受け持つオーケストラは、レイフスやシベリウスに定評がある実力派のアイスランド交響楽団。そしてそのアイスランド響のチューバ奏者がティモシー・バズビーです。曲はやはりヴォーン=ウィリアムズの流れを汲むような北欧やイギリス系の清新な空気感のある美しい曲ばかりで、現代音楽といっても全く聴きづらさはありません。ボートン作品はヴォーン=ウィリアムズにスター・ウォーズ、ハリーポッターのサウンド・トラックを合わせたような感じ、グラントはジャズ系、ウィンターレッグはショスタコーヴィチやウォルトンにも似ており、ヨークはニールセンにジャズを加えたようなテイストです。オーケストラはどれも色彩鮮やかでなかなかの快演。バズビーの妙技は言うまでもありません。
ティモシー・バズビーはテキサス出身の若きチューバ奏者。アカプルコ・フィルの首席チューバ奏者を勤めた後、名門シカゴ交響楽団と共演し、その後シンガポール響やアイスランド響の首席となり、さらにベルリン・フィルと共演する機会も得るなど、世界各地で活躍している期待の若手奏者です。すでにBIS、NAXOS、SONYなどたくさんのレーベルの録音に参加しています。