１．フロレンタン・モレル／ヘ短調の小品
２～４．ドナルド・Ｈ・ホワイト／トロンボーン・ソナタ
５．アクセル・ヨルゲンセン／ロマンス
６．ジョン・プレスコット／ロンデレット
７．ブラド・エドワーズ／青い狼
８．デヴィッド・ウェルズ／トロンボーン・ソナタ
９．マルセル・サミュエル=ルソー／協奏的小品
10～12．ジャン・ケツィア（ヤン・クーツィール）／ソナチネ
13～18．ジャン・ケツィア（ヤン・クーツィール）／チューリッヒ行進曲(変奏曲)
スティーヴン・パーソンズ（トロンボーン）、パトリシア・フォルツ（ピアノ） 発売：2008年
ALBANY【アメリカ輸入盤】
20世紀のトロンボーン作品を集めたアルバム。いずれも現代作曲家たちの作品ですが、実験音楽のような小難しいものは皆無であり、いずれも親しみやすい音楽ばかりです。メインとなっているのは、金管アンサンブルの世界では大人気のヤン・クーツィール（ケツィア）の２作品。「ソナチネ」も「チューリッヒ行進曲(変奏曲)」も、ジャズやポップス、デキシーなど様々な音楽の要素を盛り込んだ明快で楽しい音楽であり、なるほど幅広い層から人気を集めているだけあります。
また、アクセル・ヨルゲンセンの「ロマンス」など時代錯誤ともとれるほどおっとりしたロマンチックな作品があったかと思うと、マルセル・サミュエル=ルソーの「協奏的小品」のような機知に富んだフランス風の瀟洒な作品もあります。さらに、ブラド・エドワーズの「青い狼」のように、トロンボーン・ソロに高音から低音まで朗々とメロディーを吹かせつつも、随所に特殊奏法をちりばめた刺激的な作品まであって、現代音楽の多様性そのものを楽めるアルバムです。
パーソンズはブラスの名門イリノイ州立大学の教授でソロからオーケストラ奏者まで幅広く活躍しています。演奏も録音も優秀で、トロンボーンがお好きな方には無条件で楽しんでいただけるアルバムでしょう。
