ヘルベルト・ケーゲル（指揮）／東京都交響楽団
録音：1985年6月25日、東京文化会館（東京都交響楽団第218回定期演奏会ライヴ）
東武レコーディングズ【国内盤】
ケーゲルのマーラー録音は多数ありますが、第７番「夜の歌」に関しては、この来日時の演奏が唯一の録音とのことで、ＣＤ初のレパートリーになります。都響はやや金管に硬さが感じられるものの、ストレートな反応や音の立ち上がりの機敏さには舌を巻きます。ケーゲルならではの偏執的表現も多々見られ、冒頭の第２ヴァイオリン以下をトレモロで演奏させないところなど、ギーレンやベルティーニもやっていますが徹底ぶりはケーゲルに敵いません。この演奏の白眉といえる第４楽章では、冒頭のヴァイオリン・ソロにおけるグリッサンドの強調が如何にも闇の世界を描いた交響曲として相応しく、しっとりした叙情がたいへん美しいものです。全体に分析的で明快な演奏であり、「夜の歌」としては快活で勇壮さが際立っています。力強く厳格なフィナーレ後の聴衆の熱狂も凄まじいものです。
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