1-4. ジュゼッペ・サンマルティーニ(1693-1751)/オーボエと通奏低音のためのソナタ ト長調 Op.13 No.4
5-8. ピエトロ・カストルッチ(1679-1752)/オーボエと通奏低音のためのソナタ第7番 ニ長調
9-12. フランチェスコ・ジェミニアーニ(1680-1762)/オーボエと通奏低音のためのソナタ第3番 ホ長調
13-19. ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681-1767)/オーボエ・ダモーレと通奏低音のためのパルティータ第5番 ホ短調 TWV41:e1
20-22. J.S.バッハ(1685-1750)/レイモン・メイラン(1924-)校訂/オーボエとチェンバロのオブリガートのためのソナタ ト短調 BWV1030b
オマール・ツォボリ(オーボエ,オーボエ・ダモーレ)、アッティリオ・クレモネージ(チェンバロ)
録音:1995年4月4日-6日、バーゼル放送スタジオ、M3
STRADIVARIUS(DATUM)【イタリア輸入盤】
バロック期の代表的な「オーボエと通奏低音のためのソナタ」を集めたアルバムで、多作家テレマンや優れたオーボエ奏者であったサンマルティーニのソナタは、最近ではあまり珍しくはないかもしれません。しかし、ジェミニアーニのソナタといえば「第1番 ロ短調」が専ら演奏されるのみで「第3番 ホ長調」はなかなか聴く機会がなく、さらにピエトロ・カストルッチ(1679-1752)のソナタも珍しいといえるでしょう。意外にも最もレアなのはJ・S・バッハの作品で、「フルート・ソナタ ロ短調 BWV1030」(1735頃)の原形とされているものです。ケーテン時代(1717-1723)に書かれたチェンバロ・パートの自筆譜のみが残されており、それを基にスイスのフルート奏者レイモン・メイランが1972年に出版した楽譜を使用していますが、オーボエで演奏したものとしてはこれが世界初録音とのことです。
スイス出身のオーボエ奏者オマール・ツォボリは、ハインツ・ホリガーの弟子というだけあって、甘い音色ときれいなビブラートは確かに師匠ゆずりの美しさ。オーボエだけでなく、オーボエ・ダモーレやイングリッシュホルン、サクソフォンまで吹きこなす器用なプレイヤーで、ここでは古楽器を用いてバロックらしい典雅な音色を聴かせてくれます。