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スメタナ/連作交響詩「我が祖国」(全曲,2CD)

ロヴロ・フォン・マタチッチ(指揮)/ウィーン放送交響楽団(オーストリア放送響)
録音:1982年1月14日、ウィーン・ムジークフェラインザール、ライヴ

スメタナ/連作交響詩「我が祖国」(全曲,2CD)

価格:

2,138円 (税込)

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WEITBLICK【ドイツ輸入盤】

巨匠フォン・マタチッチは、ユーゴスラヴィア貴族の出身の指揮者。ドイツでの活躍と名声にもかかわらず、ソフトの多くが、東欧のオーケストラ、もしくはNHK交響楽団に限定されております。ここに登場したウィーン放送交響楽団(オーストリア放送響)との「我が祖国」は、かつてプライヴェート盤として出ていたもので、その巨大なスケールと驚愕の遅いテンポによる異形の名演としてマニアには広く知られていたものでした。今回のアルバムは、ORF(オーストリア放送協会)提供のオリジナル・テープからのCD化ですが、リリースには非常な困難を擁しました。オーケストラが名称もウィーン放送響と変更になった上に、ド・ビリー体制であることを前面に出したい(!)という意向があり、過去の録音のリリースに否定的であったとのこと。しかしこれだけの演奏を埋もれたままにしておくことは偲びなく、WEITBLICKはマタチッチ財団とともに説得し、最終的に応じてくれました。1982年というマタチッチにしては比較的新しい年代の録音であり、音源もORFのものだけに音質もかなり良好。演奏しもちろん最重量級のエネルギッシュなものであり、標題音楽であることを全面に出した情感豊かな演奏です。とりわけテンポの遅さは時にのけぞるほどで、演奏時間は[17'20"][13'30"][10'47"][13'22"][14'26"][14'55"]となっています。

以下は宇野功芳氏のライナーノートからの抜粋です。

第一曲「高い城」(Vysehrad)の冒頭、ハープが弾く"高い城"の動機の雄弁なこと!これだけで聴き手の心はわしづかみにされる。曲が進むにつれ、マタチッチが創り出すひびきの重量感、ものものしさ、スケールの大きさに圧倒される。ヴァイオリンはむせるように歌うが、つねに深い苦味を湛えているのである。第二曲「モルダウ」(Vltava)。なんとなく不器用な出がいかにもマタチッチらしく、まさに人間が演奏している音楽だ(今は機械が演奏しているようなものが多いので)。なつかしいモルダウ川の主題があくまでゆったりとしたテンポで悠然と流れてゆく。もちろんスケールは相変わらず大きい。朗々たる狩のホルン、そして農民たちの踊りのなんという遅いテンポ!このテンポでは踊れない。あくまでコンサート用の演奏なのだ。月の光からテーマ再現にかけてもスロー・テンポは微動だにしない。急流は力まず、高い城のテーマが登場するともう一段テンポを落とす巨匠の芸。第四曲「ボヘミアの森と草原より」(Z ceskych luhu a haju)も他の指揮者のCDに比べると深いひびきや堂々たる佇いがまるで違う。それに何という巨大さであろう。マタチッチの人間の大きさ、芸術家としての巨きさが終始ものを言っている。そのためか、終了後に拍手が出てしまう。それとも、ここで休憩を取ったのだろうか。ぼくにはそうは思えない。全六曲は連続演奏すべきだし、拍手のおずおずとした出方が感動を示さずにはいられない聴衆の気持ちのように感じられるのである。

英語、日本語、ドイツ語によるライナーノート付きです。

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