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アリャビエフ、アレンスキー、メトネル/ピアノ五重奏曲集

1.アレクサンドル・アリャビエフ(1787-1851)/ピアノ五重奏曲 変ホ長調
2~5.アントン・アレンスキー(1861-1906)/ピアノ五重奏曲 ニ長調 Op.51
6~8.ニコライ・カルロヴィチ・メトネル(1880-1951)/ピアノ五重奏曲 ハ長調


ユバーニ・ラーゲルスペッツ(ピアノ)、アレクサンドル・ヴィニツキー、アレクサンドル・マヨロフ(ヴァイオリン)、アンサン・ヤロシェンコ(ヴィオラ)、アレクサンデル・ルディン(チェロ)

録音:1996年6月15-19日、モスクワ音楽院小ホール

アリャビエフ、アレンスキー、メトネル/ピアノ五重奏曲集

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2,016円 (税込)

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RCD【チェコ輸入盤】

ロシアのピアノ五重奏曲を集めた興味深いアルバムで、ロシアのクラシックの萌芽期であるアリャビエフから、ロマン派のアレンスキー、近代のメトネルと時代に添って並べられているのも面白いところ。しかし、音楽を聴くかぎりそれほどの時代の差は感じさせず、ロシアにもこれほど洗練されたロマン派のピアノ五重奏曲があったのかと驚かれるかも知れません。
最も古いアレクサンドル・アリャビエフ(1787-1851)は、1812年のナポレオン侵攻による祖国防衛戦争に参戦し、1823年まで将校でした。退役後は、オペラや合唱、バレエなどの舞台作品で活躍しましたが、1828年にトランプ賭博の末に殺人を犯したとの嫌疑により、シベリアに流刑されるという波瀾万丈の生涯を送りました。その後も各地を転々と移され、やがて罪も許されてモスクワに戻ったものの、アリャビエフはその間もずっと作曲を続けていたといわれます。アリャビエフの名は、もっぱら「ナイチンゲール(夜うぐいす)」という歌曲のみで知られ、リストによってピアノ曲へアレンジされたり、グリンカによって変奏曲が作られるほど人気のあった作品です。しかし、それ以外は作曲家の死後長らく忘れ去れており、「ピアノ五重奏曲」はかつてギレリスとベートーヴェンSQによる録音があった程度で、耳にされた事のある人はほとんどいないでしょう。アリャビエフは、シューベルトやメンデルスゾーンよりもさらに一世代前に生まれた作曲家であるにも関わらず(どちらかというとベートーヴェンに近い)、古典派のスタイルを越え、ピアノ+弦楽四重奏という当時としては新しい編成で先進的なロマン派風の音楽を書き上げていた事が分かります。
アントン・アレンスキー(1861-1906)は、リムスキー=コルサコフに学んだ後、モスクワ音楽院で教授として活躍し、ラフマニノフやグリエール、スクリャービンを教えたことで知られます。アレンスキーは知名度こそいまひとつですが、そのロマンチックで叙情的な音楽を知る人からは、熱烈に愛好されています。アレンスキーはチャイコフスキーにも似たロマン派ロシア音楽の中核的存在で、ロシア音楽にしては洗練された淡い響きと叙情的な旋律を特徴としており、ピアノ三重奏曲などはそのメロディーの親しみやすさと詩的な美しさで人気があります。この「ピアノ五重奏曲」は、ロシア民謡の要素も盛り込みつつも土臭くなることはなく、優雅で抒情的な美しい作品です。
ニコライ・カルロヴィチ・メトネル(1880-1951)は、ラフマニノフの友人で、ロシア革命のあとはフランスに亡命し、晩年はイギリスで過ごしました。近年たくさんのピアニストが積極的にメトネル取り上げるようになったおかげで、再評価のムードが高まり演奏機会も増えつつあります。メトネルの最期の作品となった「ピアノ五重奏曲」は、実に45年の歳月をかけて完成した渾身の力作で、「怒りの日」の主題が巧妙に使われています。その深みと抒情性はまさに一級品です。また、演奏・録音ともに優秀です。

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