Ｊ・Ｓ・バッハ(1685-1750)：
1. チェンバロとヴァイオリンのためのソナタ第４番 ハ短調 BWV1017より 第１楽章「シチリアーノ（ラルゴ）」（リコーダー、ヴィオラ・ダ・ガンバとリュート編）
2. ペダル練習曲 BWV598（ヴィオラ・ダ・ガンバ編）
3-7. イギリス組曲第２番 イ短調 BWV807（抜粋）（リコーダー、ヴィオラ・ダ・ガンバとリュート編）
8. リュート組曲 ホ長調 BWV1006aより 第１楽章「前奏曲」
9-15. フランス組曲第５番 ト長調 BWV816（リコーダー、ヴィオラ・ダ・ガンバとリュート編）
16-21. フランス組曲第３番 ロ短調 BWV814（リコーダー、ヴィオラ・ダ・ガンバとリュート編）
22. 目覚めよ、と呼ぶ声あり BWV645（リコーダー、ヴィオラ・ダ・ガンバとリュート編）
23. フーガ ト短調 BWV1000（リュート編）
シュテファン・テミング（リコーダー＆音楽監督）、ドーメン・マリンチッチュ（ヴィオラ・ダ・ガンバ）、アクセル・ヴォルフ（リュート）
録音 2011年1月
OEHMS【ドイツ輸入盤】
先にリリースされたコレルリやヘンデルのアルバムで、超絶技巧と確固たる時代考証をまざまざと見せつけた驚異のリコーダー奏者、テミングによるＪ・Ｓ・バッハ(1685-1750)の作品集。もし、リコーダーでＪ・Ｓ・バッハを演奏したいとしても、そのレパートリーは非常に限られています。しかし、テミングは「バッハのハープシコード作品は他の楽器で演奏されるためにコピーが可能である」と主張し、何とイギリス組曲とフランス組曲のメロディをリコーダーで吹いてみせるのです。確かに当時は様々な編曲も花盛りでしたし、ヴィヴァルディの協奏曲を独奏版に編曲したバッハ自身の作品も多数存在します。実際テミングの演奏は、決してバッハを茶化したものではなく、共感に満ちた非常に真面目で丁寧なものです。リコーダーとヴィオラ・ダ・ガンバ、リュートという三重奏によるフランス組曲など元々が素敵な音楽だけに悪かろうはずがありません。Ｊ・Ｓ・バッハやリコーダーがお好きな方なら、こういった一捻り効いたアレンジも充分に楽しんでいただけることでしょう。
シュテファン・テミングは、1987年南アフリカのケープタウンに生まれ、ミュンヘンとフランクフルト大学でミヒャエル・シュナイダーにリコーダーを学びました。様々な音楽コンクールで優勝した後、リコーダー・アンサンブルや古楽アンサンブルに参加しています。様々な現代音楽作曲家も、彼のために曲を書いているなど、すでに彼の演奏は「既に巨匠の域」と絶賛されています。
