ベンジャミン・ブリテン(1913-1976):
1-3. 夜間郵便列車(1935-36)
4-8. 持参金(ロッシーニ組曲)(1935)
9-18. 王の紋章(1935)
19-26. 黒人(1935)
27-37. 海への道(1936)
38. 電報(1935)
39. 大英帝国の平和(1936)
40-42. メーターの背後の男たち(1936)
43-54. 炭鉱夫の顔(1935)
55. 君が愛を示そうとしている時に(1935)
マーティン・ブラビンス(指揮)/バーミンガム現代音楽グループ
バーミンガム市響合唱団、バーミンガム・キング・エドワード学校合唱団
サイモン・ラッセル・ビール(語り)、メアリー・カリュー(Sp)
録音:2006年
NMC【イギリス輸入盤】
ブリテンは若い頃にいくつもの映画音楽を手がけていますが、これまで録音される機会はほとんどなく、1930年代の映画音楽をほぼ収録したこのアルバムは、画期的ともいえるでしょう。また聴いてみるとウィットに富んだ愉快な音楽ばかりで、コアなブリテン・ファンでなくとも楽しめるアルバムです。全てが記録映画や教育用映画のためのものあって、いわゆる劇映画のためのサントラではありません。彼は生活のために勤めたイギリス郵政局映画部で、後にイギリスの大詩人となるW.H.オーデンと出会い深い影響を受けることになり、それから二人で協力してドキュメント映画を制作し、「夜間郵便列車」、「王の紋章(王の切手)」、「炭鉱夫の顔」を作曲しました。ブリテンは作曲家としての地位が確立してから後は映画の仕事から離れましたが、イギリス文部省の依頼で作曲した教育映画「オーケストラの楽器」の音楽が後に「青少年のための管弦楽入門」になるなど、ブリテンにとって映画音楽は縁の深い分野であったようです。子供が大好きだったブリテンらしく児童合唱が活躍したり、歌劇や声楽曲に力を注いだブリテンならではの才気あふれる親しみやすい音楽は、間違いなく一聴の価値があります。NMCレーベルのカタログ付き。