リヒャルト・シュトラウス(1864-1949):
CD1:
1. 13の管楽器のためのセレナード Op.7
2-5. 13の管楽器のための組曲 Op.4
6-8. 16の管楽器のためのソナティナ第1番 ヘ長調「傷病兵の仕事場より」
CD2:
1-4. 16の管楽器のためのソナティナ第2番 変ホ長調「楽しい仕事場」
5-7. オーボエ協奏曲 ニ長調
エド・デ・ワールト(指揮)/オランダ木管アンサンブル
ハインツ・ホリガー(オーボエ)、ニューフィルハーモニー管弦楽団
録音:1970-1971年、ロンドン、ウェンブリー・タウン・ホール
NEWTON【オランダ輸入盤】
大規模なオーケストラ作品で知られるR・シュトラウス(1864-1949)ですが、彼は管楽器アンサンブルを含む大量の室内楽作品も書いています。このアルバムに収録された「ソナティナ」や「セレナーデ」は、管楽器奏者たちの間ではおなじみの作品で、「組曲」と「セレナーデ」は天才といわれたR・シュトラウスがまだ10代後半の時に書き上げたのもので、若々しい青春の歓びに満ち溢れた弾けるような曲調が魅力的です。一方、2つの「ソナティナ」は正反対に晩年の作品であり、成熟した和声と美しいメロディに満ちたものです。第2番の「楽しい仕事場」はモーツァルトに捧げられており、1940年代の中頃という不安な時代に書かれたにもかかわらず、古典的なフォルムと端正な佇まいを見せてくれます。また、「オーボエ協奏曲」は名曲中の名曲として人気の高い作品で、青空に溶けていくかのような美しさを持っています。
エド・デ・ワールト率いるオランダ木管アンサンブルが1970年代前半に録音した当アルバムは、管楽アンサンブルのための作品集の代表的名演として知られていますが、かなり長い間廃盤の状態が続いており、中古市場でもプレミア的な価格がつくほどでした。オランダ管楽アンサンブルの演奏は、管楽器の音のブレンドが実に素晴らしく、調和のある落ち着いた表現とアンサンブルの精緻さにおいていまだこれを凌ぐものがありません。もちろん、オーボエ界の巨匠オーボエのホリガーの「オーボエ協奏曲」も甘い音色と卓越したテクニックが絶品です。70年代のアナログ録音は、初期デジタル録音とは違い、温かく円やかな響きが特徴的で、バランスのよい美しいものです。強力にオススメです。