１～４．ディッタースドルフ／コントラバスとヴィオラのための協奏交響曲
グスターヴォ・フィオラヴァンティ（Va）、トリノ・フィル
５．ロッシーニ／コントラバスとチェロのためのデュエット～アレグロ（ヴィオラとコントラバス版）
グスターヴォ・フィオラヴァンティ（Va）
６．ボッテジーニ／グラン・デュオ・コンチェルタンテ
セルジオ・ランベルト（Vn）、Ｊ・Ｂ・ポミエ（指揮）／トリノ・フィル
７～９．トルタ／コントラバス協奏曲（ピアノ伴奏版）
パメラ・マッサ（P）
ＮＢＢレコーズ【イタリア輸入盤】
エミリオ・ベンツィはイタリアの最も優れたコントラバス・ソリストの一人で、トリノのヴェルディ音楽院の教授です。また、長年にわたってトリノのフィルハーモニーオーケストラの首席奏者を務めた実力者。彼の父ヴェルテル・ベンツィを記念して行われる、イタリア国内のベース・コンクールの代表者でもあります。
このアルバムは彼の過去の演奏会の録音を集めてＣＤ化したもので、コントラバス奏者にとってお馴染みのディッタースドルフやボッテシーニなど有名なレパートリーの他に、同郷の作曲家ドメニコ・トルタが彼に捧げた協奏曲が収められているのが貴重です。
それにしても、ディッタースドルフの「コントラバスとヴィオラのための協奏交響曲」もボッテジーニの「グラン・デュオ・コンチェルタンテ」にしても、コントラバスの「重い」「ダサイ」などという従来のイメージとはあまりにかけ離れたかなり軽妙な演奏ばかりで、驚かれること必至。技術的に巧いのは当然としても、コントラバスがこれほどソロ楽器としてこれほど雄弁で、しかもヴィオラやヴァイオリンとのデュオがこれほど楽しくまとまるものなのかと驚きを通り越して素直に感動してしまいます。ロッシーニの「デュエット」の演奏途中には、ベンツィの思わぬ語りが入り観客も大爆笑するなどライヴならではの愉しさと臨場感あふれる録音も素晴らしいところ。
ベースを愛する人は必聴のディスクですが、一般の音楽愛好家もぜひ一度コントラバスの愉しさに触れてみてほしいです。なお、ＮＢＢレコーズはイタリアのコントラバス専門のレーベル。
