アストル・ピアソラ(1921-1992)：アキレス・デレ=ヴィーネ編曲
１～４．ブエノスアイレスの四季
５．ロコへのバラード
６．天使のミロンガ
７．天使の死
８．天使の復活
９．さらば、パリ
10．アルフレイド・ゴビの肖像
11．アディオス・ノニーノ
12．同一の罰
13．ピカソ
14．グアルディア・ヌエバ
15．センティード・ウニコ
アキレス・デレ=ヴィーネ（ピアノ） 録音：1989年、ベルギー、ブリュッセル
NAXOS【香港輸入盤】
哀愁、情熱、切望、情感、これらが全て含まれたピアソラの音楽は、どのような編成で演奏しても、独特の魅力を発揮するものですが、ピアノ１台で演奏するピアソラは、まるでジャケットに描かれた女性の引き締まった太もものように健康的で躍動的です。しか妖艶さを失うことはなく、囁くようなピアニシモは、まるで耳たぶに息を吹きかけられるような色っぽさです。ここでピアノを演奏するデレ=ヴィーネ（ヴィーニュとも）はクラウディオ・アラウの弟子で、数々のコンクールで入賞歴を誇るヴェテランです。このアルバムでは全て彼自身の編曲によるもので、ピアソラの音楽を余すことなくピアノへと移し替えており、演奏も瀟洒でメチャメチャかっこいい。デレ=ヴィーネの録音はごく少ないものの、TUXEDOレーベルからリリースされたリストの「ピアノ・ソナタ」もやはり抜群の演奏であり、凄い実力をもった隠れた名手というのはやはり実在するのだと感心してしまいます。オススメです。
