松村禎三(1929-2007)：
１～３．交響曲第１番
４～６．交響曲第２番
７．ゲッセマネの夜に
湯浅卓雄（指揮）／アイルランド国立交響楽団
録音：2006年9月18-19日、アイルランド、ダブリン、ナショナル・コンサートホール
NAXOS【香港輸入盤】
日本人作曲家の中でも、独自の足跡を残した松村禎三(1929-2007)の３つの作品。アジア的なものを表現しようと努めた「交響曲第１番」では、総譜に記された音は蝗の群れのように湧き上がり、巨大な渦となり聴き手を圧倒します。それから35年以上経て書かれた「交響曲第２番」は、彼自身のモノローグであり、全ての人類へ捧げる憂いと希望の光です。響きはより調性に回帰し、ピアノと管弦楽は対話を重ねながら、最後のクライマックスへと突き進む。そして「ゲッセマネの夜に」において、松村の思いは、キリストの眼差しを借りながら人々の苦悩をまっすぐに指し示しています。湯浅卓雄とアイルランド国立交響楽団の演奏も予想以上にパワフルでスケール豊か。それでいて見通しの良い精緻で丁寧なアンサンブルも見事です。偉大な作曲家であり、また表現者であった松村禎三の音楽に、ようやく対峙する時来たる！オススメです。日本語解説付き。
