アントニオ・ヴィヴァルディ(1678-1741):
◎ヴァイオリン協奏曲集 Op.8「四季」(J・ビーゲルによるピアノ独奏編曲版)
1-3.ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 Op.8-1 RV.269「春」
4-6.ヴァイオリン協奏曲 ト短調 Op.8-2 RV.315「夏」
7-9.ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調 Op.8-3 RV.293「秋」
10-12.ヴァイオリン協奏曲 へ短調 Op.8-4 RV.297「冬」
13-15.マンドリン協奏曲 ハ長調 RV.425(A・ジェンティーレによるピアノ独奏編曲版)
16-18.リュート協奏曲 ニ長調 RV.93(A・ジェンティーレによるピアノ独奏編曲版)
ジェフリー・ビーゲル(ピアノ)
録音:2008年2月15-17日、ニューヨーク、パトリック・サウンド・スタジオ
NAXOS【香港輸入盤】
最強の名曲、ヴィヴァルディ(1678-1741)の「四季」をピアノ独奏で全曲演奏してしまったというユニークなアルバムです。元々Ricordi社(イタリアの大手出版社)よりピアノ版のスコアは出版されていたのですが、この録音にあたってピアニストのビーゲルは本来のスコアを研究し、より一層的確な装飾を付けくわえたというのですから、その思い入れは並大抵なものではありません。出来上がった音を聴いてみてください。鳥の囀り、雷鳴、人々の喜び、しんしん降り積もる雪などが、驚くほどに色鮮やかに描き出されていることに気がつくでしょう。映画でおなじみのマンドリン協奏曲も、ピアノで聴くと一味違います。演奏しているジェフリー・ビーゲルは、ロン=ティボー国際コンクールで優勝経歴のあるアメリカの中堅ピアニストです。確かにユニークな試みではありますが、決して話題性だけの珍奇なもので終わっておらず、ピアニステックな華麗さや軽やかさをアピールしつつ、ヴィヴァルディの「四季」の新たな魅力を引き出した新鮮な演奏です。