アルトゥーロ・トスカニーニ(指揮)/ウィーン・フィル、ウィーン国立歌劇場合唱団
ハンス・ヘルマン・ニッセン(ザックス)、ヘンク・ノールト(ヴァルター)、マリア・ライニング (エヴァ)、ヘルマン・ヴィーデマン(ベックメッサー)、リヒャルト・サラバ(ダーヴィット)、ケルスティン・トルボルイ(マグダレーネ)、ヘルベルト・アルセン(ポーグナー) 他
録音:1937年8月、ザルツブルク祝祭大劇場におけるライヴ録音(モノラル)
MEMORIES【イタリア輸入盤】
トスカニーニとウィーン・フィルの共演は1933年に始まり、この1937年に終わってしまいますが、短いながらも濃厚な蜜月ともいえる良い関係を築きました。特にこのザルツブルク祝祭大劇場における「マイスタージンガー」のライヴは、決定的ともいえる成功を収め、トスカニーニにとっても忘れられない演奏だったそうです。トスカニーニが統率するウィーン・フィルと合唱団の一糸乱れぬ見事なアンサンブルや歌手陣のレベルの高さなどどれをとっても超一流。リズムがキビキビしていて元気がよく、自由なテンポ変化は絶好調のトスカニーニならでは。国際的な音楽祭でありながらローカルな匂いも充満しており、厳しいトスカニーニとは思えない柔らかな表現も多々見られます。音質はさすがに古めかしいものの、当時としてはかなり良好な部類です。トスカニーニの伝説の名演の1つとして非常に有名な録音ながら、なかなか入手できない状態が続いてきただけに、この復刻は大いに歓迎されるでしょう。