1-2. ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op.30
3-5. サン=サーンス/ピアノ協奏曲第2番 ト短調 Op.22
エミール・ギレリス(ピアノ)、アンドレ・クリュイタンス(指揮)/パリ音楽院管弦楽団
録音:1954年、1955年、モノラル 原盤:EMI
OLYMPIA【ロシア輸入盤】
リヒテルと並んで一時代のロシアのピアニズムを体現したギレリス。「鋼鉄のタッチ」を持つピアニストと呼ばれ、完璧なテクニックと厳格で格調高い演奏が高く評価され、とりわけベートーヴェンやブラームスの男性的な演奏は今なお最高の評価を受けています。そのギレリスのラフマニノフとサン=サーンスのピアノ協奏曲2曲は、ギレリスにとって意外に珍しいレパートリーではあるものの、オールド・ファンにとっては懐かしい名盤の1つとなっています。ギレリスがまだまだ西側では幻のピアニストであった第2次世界大戦後にパリを訪れた際に演奏され、直ちに録音されたものです。1950年代半ばにアメリカや日本を訪問し、ギレリスはソビエトの力を象徴、広告塔として、世界で大絶賛を集めるようになりました。ギレリスの力強く逞しいタッチはラフマニノフには言うに及ばず、サン=サーンスでも不変で、ロマンチックな味わいよりは健康的といってもよいほど完璧で模範的な演奏を繰り広げています。