1-3. ジョヴァンニ・バッティスタ・マルティーニ（1706-1784）／ユーリー・クラマーロフ編
チェロとチェンバロのためのソナタ イ短調 Op.19 No.3（ヴィオラとピアノのための版）(*)
4-7. Ｊ・Ｓ・バッハ（1685-1750）／ボリス・ドブロホトフ編曲／
ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ第１番ト長調 BWV1027
（ヴィオラのための版；ミハイル・クーゲリ校訂）(*)
8-10. パガニーニ（1782-1740）／ヴィオラ・ソナタ ハ長調 Op.35
（ウルリヒ・ドリューナー校訂版、カデンツァI,II：ミハイル・クーゲリ）(+)
11-12. グリンカ（1804-1857）／ヴィオラ・ソナタ（未完）(+)
13. フランツ・ワクスマン（1906-1967）／「カルメン」幻想曲
（ヤッシャ・ハイフェッツ、ミハイル・クーゲリ校訂）(+)
ミハイル・クーゲリ（ヴィオラ）
セルゲイ・レシェンコ（ピアノ） 録音：1979年(*)
エレーナ・クズネツォワ（ピアノ） 録音：1989年(*)
MELODIYA【ロシア輸入盤】
ミハイル・クーゲリは、1946年ウクライナ（当時はソ連の一部）のハルキウ（ハリコフ）に生まれたロシアのヴィオラ奏者。レニングラード音楽院でユーリー・クラマーロフに師事し、1975年のブダペスト国際ヴィオラ・コンクール優勝。当時のソ連を代表する名門カルテット、ベートーヴェン弦楽四重奏の団員として活躍し、またモスクワ音楽院やエルサレムのルービン音楽舞踊アカデミーの教授（1990-1996）として後進の指導にも力を尽くしいます。1996年にはベルギーに移住し、ゲント王立音楽院（ベルギー）およびマーストリヒト王立音楽院（オランダ）教授を務めています。
そのクーゲリのソロ・アルバムはたいへん珍しく、バロックから近代までの様々な作品によりロシアの実力派ヴィオラ奏者の華麗な技巧と優れた音楽性が充分に堪能できます。マルティーニとＪ・Ｓ・バッハの作品は、ヴィオラへのアレンジ版ですが、極めて真摯で格調の高い演奏。パガニーニとグリンカの「ヴィオラ・ソナタ」は、ヴィオラ特有の豊かな中低音をいかしたロマンチックな音楽です。とりわけグリンカは切なく甘美なメロディーは濃厚にロマンチックで、ヴィオラ好きには堪らない逸品です。ワクスマンの「カルメン幻想曲」は、かのハイフェッツの十八番だけあって華麗な超絶技巧が盛り込まれた難曲ですが、クーゲリはヴィオラで小粋に軽々と弾いており、ロシアの誇る名ヴィオリストの面目躍如たる凄い演奏です。デジパック・ケースです。
