ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)：
1-3. ホルン五重奏曲 ホ短調 K.407
4-6. オーボエ四重奏曲 ヘ長調 K.370
7-9. ピアノと管楽のための五重奏曲 変ホ長調 K.452
ジョン・バローズ（ホルン）、レイ・スティル（オーボエ）、フランク・グレイザー（ピアノ）
ファイン・アーツ弦楽四重奏団、ニューヨーク木管五重奏団
録音：1968年 再発売：2006年
ORION(MARQUIS)【カナダ輸入盤】
戦後アメリカのトップ・アーティストたちによるモーツァルトの管楽器を含む室内楽曲集。ファイン・アーツ弦楽四重奏団は、1946年シカゴで結成されたアメリカを代表する弦楽四重奏団で、メンバーを替えながらも今なお半世紀以上も活躍し続けている伝統ある弦楽四重奏団です。結成当初からベートーヴェンなどの古典派から近現代曲にいたるまで幅広いレパートリーを誇っていますが、モーツァルトも非常に得意としています。ニューヨーク木管五重奏団もアメリカで最も古い室内アンサンブルの１つであり、メンバーを替えつつも創立から60年以上も活躍し続けています。1960～1970年頃は重要な木管アンサンブル作品を次々に録音し、今なお世界最高の木管アンサンブルと評されるほどです。
また、ソリストたちもマニア垂涎のラインナップで、ホルンのジョン・バローズ(1913-1974)やレイ・スティル(1920-)といえば、オールド・ファンお馴染みの奏者。ジョン・バローズは、ミネアポリス交響楽団やニューヨーク・シティ・オペラなどで活躍し、その後もニューヨークやアリゾナの大学で後進の指導にあたり多くの優れたホルン奏者たちを育て上げました。レイ・スティルは、1953年に名指揮者フリッツ・ライナーの招きによりシカゴ交響楽団に入団し、首席奏者として約40年にわたりシカゴ交響楽団の黄金時代を支えました。レイ・スティルも指導者・教育者としても名高く、オーボエに関心のある方にとっては聞き逃せない録音といえるでしょう。
どの作品も温かみある優美な演奏で、カナダのMARQUISレーベルが敢えて復刻ＣＤ化しただけに、管楽器ファンには見逃せない好内容のアルバムです。
