CD1:
1-4. ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 Op.26
ナタン・ミルシテイン(Vn)、アンタル・ドラティ(指揮)/フランス国立管弦楽団 録音:1961年9月24日
5-8. J・S・バッハ/ヴァイオリン協奏曲 イ短調 BWV.1041
ナタン・ミルシテイン(Vn)、アンタル・ドラティ(指揮)/フランス国立管弦楽団 録音:1961年9月24日
9-12. ブラームス/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77
ナタン・ミルシテイン(Vn)、イシュトヴァーン・ケルテス(指揮)/フランス国立管弦楽団 録音:1963年9月23日
CD2:
1-4. ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61
ナタン・ミルシテイン(Vn)、ユージン・オーマンディ(指揮)/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 録音:1959年10月9日
5-9. ラロ/スペイン交響曲 Op.21
ナタン・ミルシテイン(Vn)、アンドレ・クリュイタンス(指揮)/フランス国立管弦楽団 録音:1955年7月
MUSIC&ARTS【アメリカ輸入盤】
ナタン・ミルシテインの未発表録音ばかりを集めたアルバムで、ミルシテインの全盛期のコンチェルトのライヴが5種類というヴァイオリン・ファンならずとも興味をかき立てられる内容です。共演はドラティ、ケルテス、オーマンディ、クリュイタンスという名指揮者がズラリと揃い、ミルシテインもスタジオ録音ではなかなかみられない情熱的な演奏をしています。ミルシテインが得意としたブルッフの第1番は、バージンと組んだ演奏が端正な名演としてしられていますが、ここでは燃え上がるような表現の迫真の演奏を繰り広げています。ただ、指揮のドラティとの相性があまり良くなかったようで、ミルシテインが突っ走る部分が多々見受けられて、バッハでも互いにぎこちない感じが抜けきらず、ライヴらしいハラハラした演奏です。
しかし、ブラームスはミルシテインらしい美しい音色で歌い抜いた格調高い名演奏です。指揮がケルテスに変わったせいかオーケストラも俄然丁寧な演奏になっており、情熱的でありながら優美でロマンチックなブラームスに仕上がっています。ベートーヴェンもやや線が細いものの、美しい音色で丁寧に歌い抜いた高貴なムードの演奏。ラロはクリュイタンスの指揮とピッタリ息が合っており、互いに煽るかごとくダイナミックな盛り上がりを見せます。全てモノラルのライヴ録音ですが、音質はおおむね良好で、ブラームスやラロはかなり鮮明です。