CD1:
1-3. ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調 Op.27-2「月光」 録音:1951年5月
4-6. ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調 Op.13「悲愴」 録音:1945年6月
7-9. ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 Op.57「熱情」 録音:1947年7月
10-12. ピアノ・ソナタ第26番 変ホ長調 Op.81a「告別」 録音:1951年5月
CD2:
1-3. ピアノ・ソナタ第21番 ハ長調 Op.53「ワルトシュタイン」 録音:1952年9月
4-6. ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 Op.109 録音:1952年7月
7. 幻想曲 ト短調 Op.77 録音:1947年12月
8-9. ピアノ・ソナタ第24番 嬰ヘ長調 Op.78「テレーゼ」 録音:1947年12月
ルドルフ・ゼルキン(ピアノ) ※全てモノラル録音
MUSIC&ARTS【アメリカ輸入盤】
ルドルフ・ゼルキン(1903-1991)はボヘミア出身のピアニストで、20世紀の大ピアニストの一人に数えられています。ドイツ音楽の正統派として、ピアノ・ソロだけでなく、協奏曲や室内楽でも活躍しました。ゼルキンはモーツァルトやシューベルト、ブラームスなどを得意としましたが、とりわけベートーヴェンは非常に高く評価されています。ところがゼルキンは録音には慎重で、コロムビア・レコードからの希望にもかかわらず結局ピアノ・ソナタ全曲の録音を完成しませんでした。このアルバムはゼルキンが脂ののりきった40代の頃の録音で、ゼルキンにとって1度目のピアノ・ソナタの録音となります(CBS音源)。演奏にはこれ見よがしなパフォーマンスめいた部分は皆無。ベートーヴェンの書き残した楽譜をいつも研究して、原典に忠実な解釈を求めていたといわれるゼルキンらしい真面目な演奏です。いかにもベートーヴェンらしい真摯で荘重な演奏からは、音楽へのあたたかい眼差しと深い精神性が感じられます。しかし、のちのステレオ録音よりも全体的にテンポが速めで、リズムの躍動感もあって生き生きとした表現となっています。そのためR・ゼルキンのファンからはこちらのモノラル録音の方が高く評価され