ジョルジュ・プルーデルマッハー(ピアノ)
録音:1988年7月5-9日、フランス、マルセイユ国立音楽院
LYRINX【フランス輸入盤】
ジョルジュ・プルーデルマッハー(プリュデルマシェール)は、フランスを代表するピアニストの一人。そのわりにこれまで知名度がさほど高くなかったのは、録音のほとんどがフランスのマイナー・レーベルからリリースされているため、大規模に販売されることもなく、望んでも日本では入手しづらいアイテムばかりでした。しかし、ベートーヴェンやシューベルトのピアノ・ソナタ全集が話題となり、ファンは確実に増大中。ドイツ系の作品がレパートリー中心かと思いきや、最近ではラヴェルやドビッュシーのアルバムもリリースされて大好評を博しています。
このアルバムは、まだ日本でのブレイク前にフランスのLYRINXレーベルに録音したシューベルトのピアノ・ソナタ集。ジャケットには「Vol.1」との記載があるものの、その後続編が出ることはなく、10年以上も経って突如TRANSARTレーベルから全集録音が登場しました。こちらは今から20年以上前の録音とはいえ、デジタル録音なので音質は良好であり、プルーデルマッハーの演奏も柔らかな音色と上品な表現でじっくり丁寧に歌い上げており、フレッシュさよりもむしろ円熟を感じさせます。シューベルトの音楽の明るさや軽さを損なうことなく、繊細なニュア