モーリス・デュリュフレ(1902-1986):
1-9. レクイエム Op.9(1947)(*/+)
10-13.
グレゴリオ聖歌の主題による4つのモテット Op.10(1960)
14-18. ミサ・クム・ユビロ Op.11(1966)(+)
19. われらが父 Op.14(1976)(+)
ロバート・シャープ(指揮)/トルロ大聖堂聖歌隊
デイヴィット・キンバーグ(バリトン(*))、クリストファー・グレイ(オルガン(+))
録音:2004年7月12-13日、トゥルロ大聖堂
LAMMAS【イギリス輸入盤】
モーリス・デュリュフレ(1902-1986)は、フランスのオルガニストで作曲家。近現代の作曲家とは思えないほどグレゴリオ聖歌への傾倒が著しく、デュリュフレの作品にはグレゴリオ聖歌が頻繁に登場し、その静謐で敬虔な音楽にはファンが多いようです。彼の作品は極めて少なく、作品番号のついているものはわずかに14曲ということですが、このアルバムでは名作「レクイエム」や「ミサ・クム・ユビロ」をはじめとした教会合唱曲全てが収められているという点で、デュリュフレ・ファンにとっては特に興味深い内容です。
「レクイエム」は、フォーレのレクイエムと全く同じテキストで曲が作られており、グレゴリオ聖歌に和声付けをするというユニークなもの。もともとオーケストラと混声合唱による編成ですが、のちに作曲者自身の手により作られたオルガン伴奏版による演奏となっています。あまりにも有名な「レクイエム」や、より劇的な「ミサ・クム・ユビロ」はもちろん素晴らしい作品ですが、「グレゴリオ聖歌の主題による4つのモテット」もプーランクのアカペラ宗教作品に匹敵するとても美しい音楽です。また、わずか1分半ほどの小品「われらが父」の旋律のデリケートな美しさには陶然とさせられます。