1-3. サン=サーンス(1835-1921)/チェロ・ソナタ第1番 ハ短調 Op.32
4. ベートーヴェン(1770-1827)/モーツァルトの歌劇「魔笛」の「娘か女か」の主題による12の変奏曲 Op.66
5-6. ヒナステラ(1916-1983)/プネーニャ第2番「パウル・ザッハーへのオマージュ」 Op.45
7-9. ヤナーチェク(1854-1928)/おとぎ話
10-13. ブラームス(1833-1897)/チェロ・ソナタ第2番 ヘ長調 Op.99
マクシミリアン・ホルヌング(チェロ)、ゲルハルト・フィールハーバー(ピアノ)
録音:2007年10月23-25日、ジーメンスヴィラ、ベルリン
GENUIN【ドイツ輸入盤】
有望な若手ソリストを紹介していく「ドイツ音楽コンクール受賞者シリーズ」の1枚。マクシミリアン・ホルヌングは1986年ドイツ生まれの若いチェリストで、8歳でチェロを始め、1995年にイサカッゼの弟子になりました。後にグロッセンバッハーやゲリンガスに学び、2005年ドイツ音楽コンクールで1等賞を獲得して一躍注目を集めました。2008年よりバイエルン放送交響楽団の首席チェリストになって活躍しています。
今回のアルバムは、バラエティに富んだ選曲で、たっぷり80分以上もの収録となっており、ホルヌングの実力を示す挨拶代わりの1枚といえるでしょう。さすがコンクールで優勝するだけあって卓越したテクニックは抜群の安定度を誇り、柔らかな音色としなやかなフレージングにより上品で洗練された演奏を披露しています。優雅なサン=サーンスや神秘的なヤナーチェクは、とても若いチェロ奏者とは思えないほど円熟めいた味わいがあります。特にヒナステラの「プネーニャ第2番」は、鋭いアクセントと弾むリズムで生き生きと演奏されており、現代的な和声と表現で晦渋になりがちなこの作品が実はとても格好いい曲であることを改めて伝えてくれます。