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モーツァルト、ハース、ダンツィ、カーター、タファネル/木管五重奏曲集

1. モーツァルト(1756-1791)/リンケルマン編/「魔笛」序曲
2-5. パヴェル・ハース(1899-1944)/木管五重奏曲 Op.10
6-9. フランツ・ダンツィ(1763-1826)/木管五重奏曲 ト短調 Op.56-2
10-11. エリオット・カーター(1908-)/木管五重奏曲
12-14. ポール・タファネル(1844-1908)/木管五重奏曲


ワイマール木管五重奏団  録音:2011年7月12-14日、ベルリン

モーツァルト、ハース、ダンツィ、カーター、タファネル/木管五重奏曲集

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2,138円 (税込)

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GENUIN【ドイツ輸入盤】

古典派から現代までの幅広い時代の木管五重奏曲を集めたアルバム。18世紀末のモーツァルトの時代に始まった「ハルモニー・ムジーク」は、木管合奏(主に八重奏)を主体にしたアンサンブル曲です。貴族などの上流社会の要望にしたがって作られたものが多く、ベートーヴェンやモーツァルトをはじめチェコの作曲家たちもこぞってハルモニー・ムジークをはじめとした管楽アンサンブルのための作品をたくさん残しています。モーツァルトの有名な歌劇をハルモニー・ムジーク用(主に木管八重奏版)に編曲したものは、今なお人気の高い作品ばかり。楽譜も広く出回っているために、世界中の管楽アンサンブルの団体がしばしば取り上げています。ここではリンケルマンによる木管五重奏版の「魔笛」序曲です。
実際に木管五重奏というスタイルが始まったのもほぼ同時期で、ライヒャとダンツィの2人の作品は古典派の木管五重奏の至宝となっています。アントンン・ライヒャ(1771-1836)は、チェコ出身ながらほとんどをドイツやフランスで過ごし、のちパリの音楽院で作曲を教え、管楽器のための作品をたくさん残しました。そのライヒャが木管五重奏曲を作ったという話を聞いて、ドイツのフランツ・ダンツィ(1763-1826)もそれに習って多くの木管五重奏曲を書いたといわれています。ダンツィはドイツのマンハイム楽派の作曲家で、宮廷オーケストラでは意外にもチェリストとして在籍していました。そのオーケストラは、かのモーツァルトが驚いたといわれるほど管楽器奏者が上手かったらしく、ダンツィが管楽アンサンブルを多く書いた一因となっています。
その後、木管五重奏というスタイルは世界中に広まり、特にフランスやチェコの作曲家たちは木管アンサンブルに力を注ぎました。ポール・タファネル(1844-1908)は、19世紀のフランスの偉大なフルーティストであり、指揮者や作曲家として活躍するかたわら、パリ音楽院でマルセル・モイーズなど優れた弟子を育て上げました。タファネルの作品は現在ほとんど演奏されませんが、「木管五重奏曲」だけは非常によく取り上げられており、フランスのロマン派の小粋な室内楽作品の代表です。
パヴェル・ハース(1899-1944)は、ヤナーチェクに師事したチェコの作曲家ですが、ユダヤ系であったために、ナチスにより1941年にテレージエンシュタット強制収容所に送致され、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所で処刑されてしまいました。現存するハースの作品はわずかですが、近年再評価が著しく、この「木管五重奏曲」も師のヤナーチェクを彷彿とさせる優れた作品。ボヘミアやモラヴィアの民俗的なメロディを活かしつつも、現代的な不思議なハーモニーと独特のアンニュイなムードが独特の味わいを醸しています。
アメリカの現代作曲家エリオット・カーター(1908-)は、100歳を超えた現在も活発に作曲し続けているというギネス級の最長老作曲家。カーターの「木管五重奏曲」は、アメリカの管楽アンサンブルの作品集にはほとんど必ず入っており、カーターの作品の中でも最もよく演奏されている作品かも知れません。現代的な分厚い響きはちょっと晦渋で技術的にもかなりの難曲ですが、演奏次第で面白さが俄然変わってきます。ここで演奏しているワイマール木管五重奏団は、コミカルな味を巧みに表現し、渋いながらも格好いい音楽に仕上げています。ワイマール木管五重奏団は、フルートのトモ・アンドレアス・イェックレ、オーボエのフレデリケ・ティンマーマン、クラリネットのゼバスティアン・ランベルツ、ホルンのシュテファン・ショットシュタット、ファゴットのヤコプ・カルヴァートイツといったドイツの若手アーティストたちによる気鋭のアンサンブル。全く隙のない高度な技術を持ち、アンサンブルのセンスを問われる古典的な作品も格調高く演奏しています。ハースやタファネル、カーターなどは、久々の名演の登場といえるでしょう。オススメです。

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