1-2. フランコ・チェザリーニ(1961-)/「三匹の子ブタ」
3. キース・アモス(1939-)/「ミニブタのチーロ」(ポットベリーピッグのルーピン)
4-5.フランコ・チェザリーニ/「ブレーメンの音楽隊」
クラウディオ・モネータ(朗読;イタリア語)
アンデルセン管楽五重奏団
エレーナ・パガネッシ(フルート) ジョヴァンニ・サンヴィート(オーボエ)
アルベルト・ロンギ(クラリネット) クリスティーナ・ピーニ(ホルン)
ミケーレ・コロンボ(ファゴット)
録音:2011年6月
BOTTEGA DISCANTICA【イタリア輸入盤】
フランコ・チェザリーニ(1961-)は、スイスのイタリア語圏出身の作曲家・指揮者・フルート奏者。スイスのルガーノ音楽院やバーゼル音楽院、イタリアのミラノ音楽院でピアノとフルートを学び、またペーター=ルーカス・グラーフらに師事して音楽理論と指揮法を学びました。現在は作曲活動のほか、市民吹奏楽バンドの指揮活動なども行っています。日本では、専ら吹奏楽の作曲者として知られ、「ビザンティンのモザイク画」や「アルプスの詩」、「ブルー・ホライズン」などの作品が演奏会やコンクールで多く演奏されています。
チェザリーニは、もともと優れたフルートでもあるため、フルート・アンサンブルや木管アンサンブルのための作品も多く作曲しており、ヨーロッパでは高い評価を得ていますが、日本ではまだまだ知られていません。このアルバムはそんなチェザリーニの「三匹の子ブタ」と「ブレーメンの音楽隊」 という朗読と木管五重奏のための愉快な音楽を収録しています。まるでプロコフィエフの「ピーターと狼」のような軽妙で描写的な音楽で、ジャズやラテンのテイストも盛り込まれているところにイタリアらしさが感じられます。アンデルセン管楽五重奏団の演奏も実に生き生きしており、木管アンサンブルならではの軽快でカラフルなサウンドは愉快なおとぎ話にピッタリです。
イタリアやドイツでは現在も子供向けの朗読付き音楽がポピュラーなようで、次々と新作が生まれています。このアルバムでもクラウディオ・モネータの朗読の巧さは出色もので、日本ではちょっと考えられないくらい本格的な朗読の力を伝えてくれます。当然ながら朗読はイタリア語であり、訳や解説が付いていないのはちょっと残念ですが、「三匹の子ブタ」と「ブレーメンの音楽隊」はもともと有名なストーリーであり、それぞれの動物の声を模した朗読の雰囲気で充分ストーリーや情景が伝わってきます。
イギリスの作曲家キース・アモス(1939-)の「ミニブタのチーロ(ポットベリーピッグのルーピン)」も愛嬌のある可愛らしい作品。アモスはもともとクラシック畑の作曲家ですが、近年はTVやラジオ音楽を手掛けて評判になっています。イギリスでは「ポットベリーピッグ(ベトナムのだるま豚)のルーピン」は子供たちにとても人気のあるキャラクターとのことです。