リムスキー=コルサコフ(1844-1908):
1-4. シェエラザード Op.35(作曲家自身による4手ピアノ編)
5-8. 交響曲第2番「アンタール」Op.9(N・プルゴリトによる4手ピアノ編)
9. ナポリの歌 Op.63(作曲家自身による4手ピアノ編)
ゴールドストーン&クレモウ(ピアノ)
録音:1990年、イングランド、マンチェスター、ロイヤル・ノーザン音楽大学(1-4.9)
2013年、イングランド、北リンカーンシャー、聖ジョン・バプテスト教会(5-8)
DIVINE ART【イギリス輸入盤】
19世紀、今のようにCDなどがない時代は、各家庭で手軽に音楽を楽しむために、オーケストラ作品をピアノや室内楽作品に編曲することが一般的に行われていました。その代表的なものはフランツ・リストの一連の作品ですが、他にも多くの作曲家、編曲家による素晴らしい「ピアノ編曲版」が存在します。このリムスキー=コルサコフ(1844-1908)の作品もそのようなもので、シェエラザードが初演された際、その人気の高さからこの4手版に着手したのですが、とても複雑な仕事であったためオペラの作曲を2週間中断しなくてはいけなかったそうです。また、交響曲「アンタール」のピアノ編曲版は、作曲中に結婚したナジェージダ・プルゴリト(彼女も才能ある作曲家、ピアニストだった)に託され、結果的に見事な仕上がりを見せています。「ナポリの歌」は彼の死の半年前の作品であり、このメロディはあの"有名な曲"から取られています。彼自身はこの作品に不満を抱いていたようですが、諧謔性に富んだ素晴らしい曲想は、あのリヒャルト・シュトラウス作品に匹敵するものです。
アンソニー・ゴールドストーンとキャロライン・クレモウのコンビはイギリスではよく知られた夫婦ピアノ・デュオでモーツァルトからシューベルト、現代作品まで広いレパートリーを持っている。彼らはすでに20年以上活動しているベテランで、たくさんの作品を演奏・録音してピアノ・デュオの魅力を伝導し続けています。