1. ムソルグスキー/禿山の一夜(ニコライ・アルツィバーシェフ編)
2. アルヴェーン/スウェーデン狂詩曲第1番「夏至の徹夜祭」(4手ピアノ版)
3-5. イベール/組曲「寄港地」(4手ピアノ版)
6. リャードフ/交響詩「魔法にかけられた湖」(ヴァシリー・カラファティ編)
7-10. ブリテン/歌劇「ピーター・グライムズ」~4つの海の間奏曲(エルウィン・スタイン編)
11. アイアランド/忘れられた儀式(4手ピアノ版)
ゴールドストーン&クレモフ(ピアノ) 録音:2012年
DIVINE ART【イギリス輸入盤】
有名・無名を問わず良い作品をピアノ・デュオで弾きまくるベテラン・コンビ、ゴールドストーン&クレモフ夫妻ならではの珍しいピアノ・デュオ作品を集めたアルバム。ムソルグスキーの「禿山の一夜」では魑魅魍魎が集うダイナミックでおどろおどろしい様子が見事に描かれ、アルヴェーンの「夏至の徹夜祭」では北欧の祭の盛り上がりぶりをリズミックに描いています。また、イベールの「寄港地」では地中海の暑く気怠い空気がしっかり表現されており、反対にリャードフの「魔法にかけられた湖」では、湖に立つさざ波を思わせる冷たく幻想的な雰囲気が伝わってきます。いずれも描写的な演奏効果の高い交響詩ばかりなので、ピアノ作品としてもとても聴き応えがあり、オリジナルの魅力を充分に伝えてくれます。中でもブリテンの「4つの海の間奏曲」は素晴らしい編曲で、「夜明け」、「日曜の朝」、「月光」、「嵐」という4つの情景が目に浮かぶよう。演奏しているゴールドストーンにとってお国ものであるせいか、曲に対する理解と入れ込み方が半端ではなく、迫真の名演といえるでしょう。ピアノ・デュオ・ファン注目のアルバム。オススメです。