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モーツァルト/ピアノ協奏曲第4,15,26番

ミハイル・ヴォスクレセンスキー(ピアノ)
コンスタンチン・マスリューク(指揮)/パヴェル・スロボトキン・センター・モスクワ室内管弦楽団

録音:2010年6月2日、モスクワ音楽院マリー・ホール、ライヴ

モーツァルト/ピアノ協奏曲第4,15,26番

価格:

1,629円 (税込)

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Classical Records【ロシア輸入盤】

ヴォスクレセンスキー(1935-)はウクライナ出身のピアニストで、若い時期はレフ・オボーリン門下生としてエネスコ・コンクールやヴァン・クライバーン・コンクールなどに入賞したこともあります。しかし、ソ連時代は当局からの出国許可が出なかったため、幻のピアニストになってしまっていました。その後、モスクワ音楽院教授となって後進の指導にあたり、教師としても非常に優れた資質を示しています。また、スクリャービンの権威として知られ、現在は国際スクリャービン協会のリーダーを務めているほどです。我が国では桐朋学園大学や東京芸術大学等での教育活動によっても知られています。
そのヴォスクレセンスキーによるモーツァルトのピアノ協奏曲シリーズは、着実に録音を重ね続け、これが第9巻となります。相変わらずヴォスクレセンスキーの演奏は端正なフォルムの中に軽妙なニュアンスや優しい歌心を練り込んだ瀟洒なもので、実に心地よく聴かせてくれます。新しい録音だけあって音質も良好で、オーケストラにもロシア臭は全く感じられません。第4番は、モーツァルトがわずか11歳の時の作品といわれていますが、第1~3番までと同様に他者の作品の編曲であることが判明しており、自筆譜には父レオポルトの筆跡も残っています。第1楽章と第3楽章はL・ホーナウアーのソナタ Op.1-1、第2楽章はヘルマン・フリードリヒ・ラウパッハのヴァイオリン・ソナタ Op.1-1から採られており、これらの優れた先達たちの作品を基にして、協奏曲の作曲を学んだと考えられています。ヴォスクレセンスキーは初期・中期のピアノ協奏曲と特に相性が良く、瑞々しく爽やかな味わいは実に見事。第1,3楽章のカデンツァはヴォスクレセンスキーのオリジナルを用いています。
第15番は、モーツァルトが28歳の時の作品で、ウイーン時代に作られた6つのピアノ協奏曲(第14~19番)の中でも一際人気の高い作品です。モーツァルト自身が演奏会で披露するために作曲されただけに、これ以前の作品に比べてテクニックや表現の難度も上がり、管楽器をはじめオーケストラの編成が増強されています。ヴォスクレセンスキーの演奏も非常に繊細で、カデンツァはモーツァルト自身のものを用い、ガラスのような美しいタッチで1音1音を紡ぎあげた美しい演奏です。「戴冠式」というサブタイトルで知られる第26番は、ウィーンでの人気も無くなり、収入の面でも苦労していた時期の作品で、敢えて聴衆に好まれそうな明朗で分かり易い音楽になっています。ところが楽譜の上で未完成の作品であり、多くの部分で音符が右手パートしか書かれてなく、左手部分が欠落しています。とはいえ「戴冠式」は、昔から人気の高いチャーミングな作品であり、ヴォスクレセンスキーも第1楽章にフリードリヒ・グルダ作のカデンツァを採用し、より明るく華麗に演奏するあたりも心憎いところです。

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