ショパン(1810-1849):
バラード第3番 変イ長調 Op.47/夜想曲 変イ長調 Op.32 No.2
3つのワルツ Op.34; 変イ長調,イ短調,ヘ長調(華麗なワルツ)
大ワルツ変イ長調 Op.42
3つのワルツ Op.64; 変ニ長調,嬰ハ短調,変イ長調
2つのワルツ Op.69; 変イ長調,ロ短調
3つのワルツ Op.70; 変ト長調,ヘ短調,変ニ長調
ワルツ 変ホ短調 Op.posth./夜想曲 ロ長調 Op.9 No.3
4つのマズルカ Op.41; 嬰ハ短調,ホ短調,ロ長調,変イ長調
幻想即興曲 嬰ハ短調 Op.66
ポリーナ・フェドートワ(ピアノ) 録音:2009年5月
Classical Records【ロシア輸入盤】
ポリーナ・フェドートワは、バレエ音楽のスペシャリストとして有名なロシアの指揮者ヴィクトル・フェドートフの娘。サンクトペテルブルク音楽院で学んだ後、モスクワ音楽院でエフゲニー・マリーニンやワレリー・カステルスキーに師事し、ネイガウス以来のロシアン・ピアニズムの伝統を受け継ぎました。数々の国際コンクールにおいても華やかな入賞歴を誇っており、現在はロシアの中堅ピアニストとしてコンサートや録音で活躍しています。日本ではまだ知名度はさほどではありませんが、ロシアでは彼女のアルバムが多数リリースされており、人気も高いようです。また、フェドートワは1996年以来モスクワ音楽院で教鞭をとっています。
このアルバムは、フェドートワの得意とするオール・ショパン・プログラムで、ワルツがメインとなっています。フェドートワは清潔感を感じるほどスッキリ洗練された表現を好むようで、テクニックを感じさせないほど鮮やかなテクニックでサラリと弾きこなしています。ショパンの音楽そのものに語らしめるタイプなので、演奏家の個性やアクが全くといっていいほど無く、これほどピュアにサラサラ流れるショパンも珍しいほど。それでいて情感豊かで女性らしい繊細な感覚が息づいたロマンチックな美演です。特に最後の「幻想即興曲」は、これほど響きに濁りのないキラキラした演奏はそうあるものではありません。知性と節度が隅々まで行き届いたフェドートワの演奏は、心あるショパン・ファンには堪らないことでしょう。Classical Recordsレーベルの最近リリースされたアルバムの中でも評価の高い一枚です。