1-3. ベートーヴェン（1770-1827）／三重奏曲 ト長調 WoO.37
4-5. ドニゼッティ（1797-1848）／三重奏曲 ヘ長調
6-8. クーラウ（1786-1832）／三重奏曲 ト長調 Op.119
カテリーナ・ザイチェワ（ピアノ）、デネット・ダービー・マクダーモット（フルート）
ダグラス・バーケンフス（ファゴット） 録音：2009年（ライヴ）
Classical Records【ロシア輸入盤】
古典派からロマン派にかけての時代に作られた３つの「ピアノ、フルートとファゴットのための三重奏曲」を集めたアルバム。いずれも録音の機会がさほど多いとはいえない作品であり、なかなかの好企画といえるでしょう。特に管楽アンサンブルやフルート、ファゴット愛好家には見逃せないアルバムです。
ベートーヴェンの「三重奏曲」は、厳めしく固い印象のベートーヴェンとはまるで正反対といえるほど親しみやすい伸びやかな音楽です。フルートとファゴットの掛け合いが協奏的に展開するため聴き映えもよく、コンサートでは取り上げられる機会が多い隠れた人気作です。
フリードリヒ・クーラウ(1786-1832)は、ドイツ出身の古典派の作曲家ですが、デンマークの首都コペンハーゲンに移住し、そこで大いに活躍しました。「ピアノのためのソナチネ」は日本人にとってもピアノ学習ですっかりお馴染みでしょう。クーラウはフルートの作品も数多く作曲しており、同時代の作曲家ベートーヴェンに作風が似ていたため「フルートのベートーヴェン」と呼ばれることもあります。そのクーラウの「三重奏曲」は、ベートーヴェン以上にすっきりとした響きで、平明かつ爽やかな曲想で心地よく楽しむことができます。
ガエターノ・ドニゼッティ（1797-1848）は、イタリアの有名なオペラ作曲家であり、「愛の妙薬」や「ランメルモールのルチア」などは名作として愛され続けています。そのドニゼッティもオーボエやファゴットなど木管楽器を好み、素敵な室内楽作品を残していることはあまり知られていません。ドニゼッティの「三重奏曲」は、知る人ぞ知る名曲ですが、イタリア的な旋律美とドラマチックな内容をもつ濃厚にロマンチックな音楽です。
