１～３．マルチェッロ／バッハ編／協奏曲 ニ短調（オルガン・ソロ）
４～７．マルチェッロ／ソナタ ニ短調
８～11．マルチェッロ／ソナタ ト短調
12～15．マルチェッロ／ソナタ ハ短調
16～19．マルチェッロ／ソナタ ト長調
20～23．ヴィヴァルディ／ソナタ ホ短調
24～27．ヴィヴァルディ／ソナタ イ短調
アレクサンドル・ザゴリンスキー（チェロ）、アレクセイ・シミトフ（オルガン） 録音：2003年
Classical Records【ロシア輸入盤】
アレクサンドル・ザゴリンスキーは1962年モスクワ生まれのチェリスト。モスクワ音楽院でナタリヤ・シャホフスカヤに学び、1985年の全ロシア音楽コンクールや1988年の第５回国際室内楽コンクール、1990年の第９回国際チャイコフイキー・コンクールなど国内外のコンクールにおいて数々の受賞歴を誇っています。その後モスクワ・フィルやモスクワ室内管の主席を務め、現在はグネーシン音楽大学で後進の指導もにも熱心に取り組んでいます。ザゴリンスキーは、デニゾフ、カスパロフ、ローゼンブラットなどロシア現代作曲家の作品を得意としていますが、とりわけジャズ・ピアニスト兼作曲家として近年大人気のカプースチンと親しく、彼の２つのチェロ・ソナタやチェロと管弦楽のための作品などの初演も行っています。
このアルバムは、マルチェッロとヴィヴァルディのチェロとオルガンのためのソナタを集めたもので、ザゴリンスキーの美音と品格のある表現をストレートに感じることが出来ます。１曲目だけオルガンのシミトフのソロとなっていますが、マルチェッロの有名なオーボエ協奏曲を基にしたバッハの作品だけあって、音楽の美しさは抜群です。シミトフが弾いているオルガンも明るく軽めの音色で、どこかイタリアらしい開放感があります。チェロとのバランスも驚くほど良好で、ザゴリンスキーとのアルサンブルではチェロを引き立てるための女房役に徹しています。ザゴリンスキーもマルチェッロでは甘くロマンチックに歌い、またヴィヴァルディは崇高で上品に仕上げるなど、両作曲家の特徴を巧く弾き分けています。チェロ好きには堪らないアルバムでしょう。
