ミハイル・ヴォスクレセンスキー(ピアノ) 録音:2001年
Classical Records【ロシア輸入盤】
ヴォスクレセンスキー(1935-)はウクライナ出身のピアニストで、若い時期はレフ・オボーリン門下生としてエネスコ・コンクールやヴァン・クライバーン・コンクールなどに入賞したこともあります。しかし、ソ連時代は当局からの出国許可が出なかったため、幻のピアニストになってしまっていました。その後、モスクワ音楽院教授となって後進の指導にあたり、教師としても非常に優れた資質を示しています。また、スクリャービンの権威として知られ、現在は国際スクリャービン協会のリーダーを務めているほどです。我が国では桐朋学園大学や東京芸術大学等での教育活動によっても知られています。
それにしても、このリストの「ピアノ・ソナタ」はすごい。気合いが充実した演奏でありながら、汚い音は一切ありません。リストの派手なピアニズムが、こけおどしの迫力にとどまらず、華麗でありながら繊細な美しさを伴っており、とても感動的。ヴォスクレセンスキーはやはり只者ではありません。シューマンの「ダヴィッド同盟舞曲集」も同様にクリヤーな音色が印象的なスタンダードな演奏です。録音も優秀です。