1-7. ルイ・ド・ケ＝デルヴロワ(1680-1759)／ソナタ第２番 ト長調
8. ロベール・ド・ヴィゼー(1650頃-1725)／パッサカイユ
9-13. フィリドール(1681-1728)／リコーダー・ソナタ ニ短調
14-20. シャルル・デュパール(1667頃-1740)／組曲第１番 イ長調
21-26. ヴィゼー／組曲 ニ短調
27. フランソワ・クープラン(1668-1733)／恋の夜うぐいす
28-34. デュパール／組曲第６番 へ短調
35-36. クープラン／勝ち誇る夜うぐいす、夜うぐいすのドゥブル
パメラ・トービー（リコーダー）、エリザベス・ケニー（アーチリュート、テオルボ、バロック・ギター）
録音：2009年3月22-24日、ヨーク、国立古楽センター
LINN【イギリス輸入盤】
パラディアン・アンサンブルの中核であり、ソリストとしても世に名高いスコットランドが生んだ世界的リコーダー奏者パメラ・トービー。ピノックやピケットのオーケストラと共演を重ね、ヨーロッパで着実にキャリアを詰んできたトービーが参加したアルバムは、いずれも世界的に高い評価を受けています。好調なセールスを維持し続けている「バロック・リコーダー協奏曲集」や「ヘンデル／リコーダー・ソナタ集」、「快楽の園」に続くパメラ・トービーのソロ第４弾となるのが、この「夜鳴きうぐいすと蝶々」というフランス・バロックの作品集です。フランス・バロック期のリコーダー作品は、同時代のイタリアやドイツ、イギリス、フランドルの作品に比べて録音の機会は意外に少なく、リズムや色彩の変化が繊細なのでその魅力を引き出すのはなかなか難しいのかも知れません。
前３作では、モニカ・ハジェット、リチャード・エガー、アンドルー・ローレンス=キングなど、古楽界の一流アーティストたちと共演を重ねてきたトービーが、この「夜鳴きうぐいすと蝶々」でデュオを組むのは、イギリスのトップ・リュート奏者エリザベス・ケニー。古楽界の最前線を歩むトービーとケニーのデュオは、テクニックや音色、表現の素晴らしさはもちろんのこと、心地よいテンポ感、両者の絶妙の距離感が生み出す自然な音楽の流れが見事。トービーの軽やかで明るい音色とケニーの愁いを帯びたしっとりした音色の絶妙なコントラストは、まるで「夜鳴きうぐいす（ナイチンゲール）」の鳴き声と「蝶々」の羽ばたき。ルイ・ド・ケ＝デルヴロワの「ソナタ第２番」やクープランの「恋の夜うぐいす」でのトービー歌うような自在な息づかいは実に面白く、ヴィゼー作品でのテオルボの深い音色も素敵です。SACDハイブリッド仕様なので、通常のプレイヤーでもお楽しみいただけます。
