1-3. クロンマー/オーボエ協奏曲第1番 ヘ長調 Op.37
4-6. クロンマー/オーボエ協奏曲第2番 ヘ長調 Op.52
7. フンメル/序奏、主題と変奏 ヘ短調 Op.102
アレックス・クライン(オーボエ)、ポール・フリーマン(指揮)/チェコ国立交響楽団 録音:1991年
CEDILLE【アメリカ輸入盤】
クロンマーの2つのオーボエ協奏曲は、古典派らしい上品で落ち着いたサウンドと人間味のある温かな旋律を持つ名曲。古典派の音楽だからといって退屈と思ったら大間違い。少なくともオーボエ協奏曲というジャンルに限っていえば、モーツァルトに比肩するといってもよいほど霊感豊かな美しい曲です。一方のフンメルの「序奏、主題と変奏」の方はヴィルトォーゾ的な作品。オーボエが旋律を吹き抜く部分がかなり長めに設けられていて、速いパッセージで華麗な指回りを披露するところは、かなりの技術的レベルが要求されることでしょう。
ソロを吹いているアレックス・クラインはシカゴ響に首席奏者として在籍したこともある名手。その後ソリストとしてフィラデルフィア管、スイス・ロマンド管と共演、2002年にはグラミー賞を受賞、近年は指揮者としても活動しています。特にこのアルバムは、クラインの美音と優れた技術力が充分に発揮された素晴らしい演奏で、アメリカの新聞や音楽雑誌でもこぞって最高の評価を受けた名盤です。オーボエ好きの方はぜひご一聴を。