◎チャイコフスキー／バレエ「眠れる森の美女」（プレトニョフによるピアノ編曲版）
１．Prologue ２．Danse des pages ３．Vision d'Aurore ４．Andante
５．Fee d'Argent ６．Le Chat Botte et la Chatte Blanche ７．Gavotte
８．Canarie qui chante ９．Chaperon Rouge et le Loup 10．Adagio
11．Finale
12．シューベルト／楽興の時 D.780,Op.94より第１番
13．シューベルト／即興曲 変ホ長調 D.899-2,Op.90-2
14．シューベルト／即興曲 変イ長調 D.899-4,Op.90-4
15．ドメニコ・スカルラッティ／ソナタ ホ長調 K.380(L.230)
16．スクリャービン／練習曲 嬰ハ短調 Op.2-1
17．スクリャービン／練習曲 嬰ニ短調 Op.8-12「悲愴」
18．ラフマニノフ／前奏曲第16番 ト長調 Op.32-5
19．モシュコフスキ／花火 Op.36-6
20．シューマン／子供の情景より「トロイメライ」
パヴェル・ネルセシアン（ピアノ） 録音：1997年11月
Bel Air Music【モナコ輸入盤】
ロシアの中堅ピアニストではピカイチだと思われるネルセシアン(1964-)を聴くなら、まずこのディスクから！選曲がバラエティがあってとても面白く、中でもチャイコフスキーの「眠れる森の美女」のピアノ版には目を奪われることでしょう。このアレンジは、ロシアの有名な先輩ピアニスト、ミハエル・プレトニョフによる編曲で、１１曲がチョイスされており、非常にカラフルかつシンフォニックな出来映えで、とても優れたアレンジです。演奏がそれに輪をかけているのでしょう。「プロローグ」の立派な響き、「リラの精」や「パ・ド・カラクテール」の描写的で可愛らしい音楽、「アダージョ」の甘いロマンチックな表現は、ピアノ曲としては最高に美しく面白い音楽です。オケと比較することはもはや無用と思われるほど、ピアノ作品としての完成度が高く、ややもするとオケ版のやかましい響きでは聴き取れなかったデリケートな音楽が感じ取れると思います。これはピアノ・ファンおよびチャイコ・ファン必聴のディスクとして、大いに勧めたいディスクです。
後半の小品集もネルセシアンの素晴らしいセンスが存分に発揮されていて、気持ちのいい演奏ばかり。シューベルトの２つの即興曲は、軽やかなアルバムです！
