アルド・フィンツィ(1897-1945)：
１．オルガンのための前奏曲とフーガ
２．ピアノのためのワルツ・レント第１番
３．ピアノのためのワルツ・レント第２番
４．ヴァイオリンとピアノのためのパストラリーナ
５．ピアノのためのテンポ・ディ・フォックストロット
６．ピアノのためのテンポ・ディ・マルチア
７．ヴィオラとピアノのための小さな子守歌
ニーノ・ロータ(1911-1979)：
８．ヴィオラとピアノのための間奏曲
９～11．ヴィオラ・ソナタ
シモネッタ・ヘーガー（ピアノ）、ファウスト・カポラーリ（オルガン）
ジャンバティスタ・ピアネッツォーラ（ヴァイオリン，ヴィオラ） 録音：2007年6月
Bel Air Music【モナコ輸入盤】
アルド・フィンツィ（1897-1945）という作曲家を御存知の方はそう多くはないのではないでしょうか。少しは知られたイギリスのジェラルド・フィンジ(1901-1956)とは全くの別人のようで、こちらはイタリアで活躍したユダヤ系の作曲家です。そのＡ・フィンツィの音楽は、まだよく知られているとはいえませんが、Ｒ・シュトラウスのようなゴージャスな響きの交響詩や、叙情的で美しい室内楽曲などがすでにこのベル・エアーからりリースされており、大好評を博しています。この作曲家に注目して何枚もアルバムをリリースしているベル・エアーからの新たなＡ・フィンツィのアルバムは、ピアノやオルガン、またヴァイオリンやヴィオラの室内楽曲を集めたもので、ほとんどが２～４分の小品です。いずれもフィンツィらしいロマンチックで甘いメロディーにあふれた音楽で、「パストラリーナ」や「小さな子守歌」などはムード音楽調でちょっと気恥ずかしいほど。ファンタジックな和声が用いられた２つの「ワルツ・レント」は、サティっぽくてとてもオシャレな逸品です。
また、カップリングに同じイタリアの作曲家ニーノ・ロータを持ってくるあたりも心憎いところ。ニーノ・ロータ(1911-1979)は、映画音楽の巨匠としてあまりに有名で、フェリーニの映画のほとんどに携わり、コッポラの「ゴッドファーザー」の音楽や「太陽がいっぱい」、「ロメオとジュリエット」など数々の名曲を世に送り出しています。しかし、ロータ自身は「本業はあくまでクラシックの作曲であり、映画音楽は趣味にすぎない」といっていたとおり、クラシックの分野にも室内楽、管弦楽、バレエ、オペラなどあらゆるジャンルに優れた作品を残しております。ここ10年ほどで交響曲や協奏曲、室内楽など様々な録音がなされ、徐々にロータの純音楽も知られるようになりました。アルド・フィンツィとニーノ・ロータの作品を並べて聴いてみると、甘いトーンや旋律の綺麗さが際立っていて、やはりイタリアらしさを感じさせます。
