セルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943):
1-4. 詩曲(合唱交響曲)「鐘」Op.35
5. カンタータ「春」Op.20
6. ヴォカリーズ Op.34 No.14(V・クリン編曲、管弦楽伴奏版)
エフゲニー・スヴェトラーノフ(指揮)/ソヴィエト国立交響楽団
ガリーナ・ピサレンコ(1-4,6,ソプラノ)
アレクセイ・マスレンニコフ(5,テノール)
セルゲイ・ヤコヴェンコ(1-5,バリトン)
ユーリー・ウーホフ(1-4,合唱指揮)、スタニスラフ・グーセフ(5,合唱指揮)
ユルローフ・ロシア合唱団(1-5)
録音:1979年(1-4)、1984年(5)、1973年(6) 原盤:Melodiya
ALTO【イギリス輸入盤】
ラフマニノフの合唱交響曲「鐘」は、熱狂的な女性ファンからの手紙に「音楽にとって、とくにラフマニノフのために作られたようなもの」とあったエドガー・アラン・ポーの詩に創作意欲を掻き立てられて作曲されました。ラフマニノフが心酔するチャイコフスキーが滞在したというローマの家で作られ、1913年12月に初演されました。ラフマニノフの合唱作品の傑作として知られ、ラフマニノフ自身も「自分の最高傑作」と断言しています。グレゴリオ聖歌の「怒りの日(ディエス・イレ)」の旋律主題の引用がみられるドラマティックかつ豊饒な音楽です。
カンタータ「春」は、バリトンと合唱および管弦楽のための作品で、親友で名歌手として有名なシャリアピンを念頭に置いて作曲されました。歌詞はニコライ・ネクラーソフの詩『緑のそよ風』に基づいています。有名なピアノ協奏曲第2番の直後に書かれただけあって、溢れるようなロマンティシズムを聴かせてくれます。
スヴェトラーノフもロシア的な濃厚な響きの中で甘い旋律をドラマチックに歌いぬいており、なかなか強烈な演奏です。