クララ・シューマン(1819-1896)：
1-6. 音楽の夜会 Op.6
7. スケルツォ第１番 ニ短調 Op.10
8. スケルツォ第２番 ハ短調 Op.14
9-12. ４つの束の間の小品 Op.15
13. ロベルト・シューマンの主題による変奏曲 Op.20
14. ロマンス イ短調
15. ロマンス ロ短調
コンスタンツェ・アイクホルスト（ピアノ） 録音：1986年8月
ＣＰＯ【ドイツ輸入盤】
19世紀の最も才能ある女性ピアニストであり、良妻賢母の代表として映画や子供向け伝記漫画にもなっているシューマンの妻クララの作品集です。夫の手前か、彼女は自分には作曲能力がないと常々語っていました。しかし、実際は若い頃から抜群に優れた才能の持ち主だった事が、16-17才の時に作曲した「音楽の夜会」で明らかになります。特に第２曲「夜想曲」はショパンと比較しても劣らないほどの傑作です。また、1853年に作曲された「ロベルト・シューマンの主題による変奏曲」は、日に日に精神状態が悪化していく夫ロベルトへの最後の誕生日プレゼントとなった作品。ロベルトの主題に寄り添って慈しんでいるような変奏曲で、やさしく語りかける美しいメロディが甘く切ない心地にさせてくれます。なお、最後の「ロマンス」はクララがブラームスの誕生日に哀しみを込めて贈った意味深な作品で、曲の最後には「愛の想いをこめて！クララ」という言葉が添えられているそうです。
演奏しているコンスタンツェ・アイクホルストは、クララ・ハスキル国際ピアノ・コンペティションとゲザ・アンダ国際ピアノ・コンペティションに優勝して話題になったドイツの女性ピアニスト。その後ソリストとして、またリノス・アンサンブルのメンバーとして活動を行い、CPOやCAPRICCIO、ANTESレーベルなどで20枚近いアルバムの録音に参加しています。アイクホルストはＪ・Ｓ・バッハやモーツァルトの演奏で高い評価を受けていますが、同時にクララ・シューマンやフェスカ、ファランクといった女性作曲家の作品を積極的に取り上げていることでも知られています。クララ・シューマンのピアノ作品集としては一押しのアルバムです。
