グスタフ・マーラー(1860-1911):
・交響曲第1番 ニ長調「巨人」 録音:1966年
ニューヨーク・フィルハーモニック
・交響曲第2番 ハ短調「復活」 録音:1963年
リー・ヴェノーラ(ソプラノ)、ジェニー・トゥーレル(メゾ・ソプラノ)
カレジエート合唱団、ニューヨーク・フィルハーモニック
・交響曲第3番 ニ短調 録音:1961年
マーサ・リプトン(メゾ・ソプラノ)、ジョン・コリリアーノ(ヴァイオリン)
ジョン・ウェアー(ポストホルン)、スコラ・カントルム女声合唱団
トランスフィギュレーション教会少年合唱団、ニューヨーク・フィルハーモニック
・交響曲第4番 ト長調 録音:1960年
ヘレリ・グリスト(ソプラノ)、ニューヨーク・フィルハーモニック
・交響曲第5番 嬰ハ短調 録音:1963年
ジェイムズ・チェンバース(ホルン)、ニューヨーク・フィルハーモニック
・交響曲第6番 イ短調「悲劇的」
ニューヨーク・フィルハーモニック 録音:1967年
・交響曲第7番 ホ短調「夜の歌」
ニューヨーク・フィルハーモニック 録音:1965年
・交響曲第8番 変ホ長調「千人の交響曲」 録音:1966年
エレナ・スポーレンベルク、グィネス・ジョーンズ、ゲニス・アンニアー(ソプラノ)
アンナ・レイノルズ、ノーマ・プロクター(アルト)、ジョン・ミッチンソン(テノール)
ウラディミール・ルジャーク(バリトン)、ドナルド・マッキンタイア(バス)
リーズ音楽祭合唱団、オービントン・ジュニア・シンガーズ
ハイゲート・スクール少年合唱団、フィンチレー児童音楽グループ
ロンドン交響楽団&合唱団
・交響曲第9番 ニ長調
ニューヨーク・フィルハーモニック 録音:1965年
・交響曲第10番 嬰ヘ短調~アダージョ
ニューヨーク・フィルハーモニック 録音:1975年
・亡き子を偲ぶ歌 録音:1974年
ジャネット・ベイカー(メゾ・ソプラノ)、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
レナード・バーンスタイン(指揮)
SONY【ヨーロッパ輸入盤】
バーンスタインのマーラー/交響曲全集はいえば、晩年のバーンスタインが精魂を傾けたDGレーベルの録音が、ダイナミックな名演として高い評価を受けています。しかし、バーンスタインは年をとるにつれてテンポは遅くなり、表現も粘着質になりすぎて、いささか過激でヘヴィーすぎるところもありました。一方、こちらの1960年代のSONYの録音は、より若々しくストレートで、見通しのいい解りやすい演奏です。初のマーラー/交響曲全集として歴史的な価値を持つばかりでなく、いまだ全く色褪せない素晴らしいセットです。バーンスタインの生命力と覇気が漲った演奏は他に類を見ない魅力があり、マーラーを演奏する喜びがヒシヒシと伝わってきます。中でも、フレッシュで心浮き立つ第1番「巨人」やチャーミングで輝くばかりに美しい第4番は、いまでもベストに挙げられてもおかしくない名演!また、第3番や第7番も、過度にドラマチックにならず、暗い情念よりも天真爛漫な明るさが強く感じられ、新盤に劣らぬ魅力があります。また、第6番は、多少のアンサンブルの乱れや演奏の傷など全く意に介さず、疾風怒濤の勢いでグイグイ突き進む熱演で、第4楽章の迫力は凄まじいものです。第8番のみロンドン交響楽団との演奏ですが、これは晩年のバーンスタインのスタイルに近く、圧倒的なスケールとフィナーレに向かって突き進む高揚感が堪りません。
1960年代のCBSソニーの元々の録音の良さ、また今回のリマスタリングも良さも特筆に値するもので、音質も驚くほど生々しく優秀です。さらに発売当時のレコードジャケットをミニ化したジャケットもうれしいところ。第6番や第8番、第9番なども1枚のCDに収まっており、途中でCDをチェンジしなくても聴き通せるよう配慮がなされており、様々な点で価値あるセットとなっています。オススメ。厚さ4センチのボックス・ケースなので、宅配便にての発送となります。