ウィリアム・ヤング(1610-1662)：
1-2. ソナタ第９番 ヘ長調
3-7. ２つのバス・ヴィオールのための23つの小品より「組曲 ト短調」
8. ３つのソナタより「ソナタ第１番 ニ短調」
9. ３声のヴィオールのための９つのファンタジアより「ファンタジア第７番 ニ短調」
10. リラ・ヴィオールのための39の小品より「前奏曲」
11. リラ・ヴィオールのための39の小品より「アルメイン」
12-17. ソナタ第３番 ト短調
18. ３声のヴィオールのための９つのファンタジアより「グラウンドによるディヴィジョン ト短調」
19. ３つのソナタより「ソナタ第３番 ニ長調」
20-23. ヴィオラ・ダ・ガンバのための30の小品より「組曲 ニ短調」
24-25. ３つのソナタより「ソナタ第２番 ハ長調」
26. ３声のヴィオールのための９つのファンタジアより「ファンタジア第５番 ハ短調」
27. ２つのバス・ヴィオールのための23つの小品より「ソナタ ニ短調」
28-30. ソナタ第８番 ト長調
ジモーネ・エッケルト（指揮）／ハンブルガー・ラッツムジーク 録音：2009年3月16-19日
ＣＰＯ【ドイツ輸入盤】
17世紀のイギリスの音楽家、ウィリアム・ヤング(1610-1662)の初期の経歴については、ほとんどと言ってよいほど知られていません。このイギリスの作曲家は、ガンバ奏者として活躍し晩年はインスブルックで生活していました。音楽をこよなく愛したフェルディナント・カール大公に仕え、音楽家としての名声を確立しました。型破りな行いで知られる、スウェーデンのクリスティーナ女王が、改宗のためインスブルックに滞在した1655年には彼女のために御前演奏を行っています。そしてジェンキンスやロウズとともにヨーロッパにおける「英国の最高のガンバリスト」として知られるようになり、1653年には彼のソナタが出版されるほど人気を獲得したのです。ウィリアム・ヤングの音楽は、ドイツに移住した影響が強いのか、また演奏がドイツの古楽アンサンブルのせいか、予想外にドイツの初期バロック音楽らしい快活なものです。しかし、「２つのバス・ヴィオールのための23つの小品」や「リラ・ヴィオールのための39の小品」といったソロ・デュオ作品では、上品で中庸の美を尊ぶイギリスらしさも表れており、「グラウンドによるディヴィジョン ト短調」などはいかにもイギリス的。女王も心酔した美しい音楽に浸ってください。
