1-3. 唐建平(1955-)／飛歌（リコーダーと管弦楽編）
4-5. 盛宗亮（ブライト・シェン）(1955-)／月笛（リコーダーと管弦楽編）
6-8. 馬水龍／竹笛協奏曲（リコーダーと管弦楽編）
9-11. 陳怡(1953-)／昔の中国の美
ミカラ・ペトリ（リコーダー）、ラン・シュイ（指揮）／コペンハーゲン・フィル 発売：2010年
OUR RECORDINGS【デンマーク輸入盤】
今から30年ほど前は、中国の近代音楽と言えば「ピアノ協奏曲“黄河”」か、「ヴァイオリン協奏曲“梁山伯と祝英台”のどちらかが知られる程度でした。確かにこの２曲は、中国以外の聴衆のために上演することが許されていた唯２つの作品だったのです。しかし、そんな締め付けは文化大革命の終了とともになくなり、中国の様々な才能ある作曲家たちの作品を楽しむことができるようになりました。クラシック音楽界では、1979年にアイザック・スターンが中国を訪問したことでヨーロッパとの交流が盛んとなりました。このアルバムは、そんな現代中国の４人の作曲家の作品を収録しています。
唐建平(1955-)の「飛歌」は、中国らしいエスニックなメロディをハリウッドの映画音楽のように壮大なオーケストレーションで楽しむというもの。また、馬水龍の「竹笛協奏曲」もダイナミックかつ描写的で、いかにも中国的なムードが漂う逸品です。唐建平や馬水龍の作品は、濃厚にロマンチックでかなり格好のいい音楽なので、中国音楽ファンならずとも、多くのクラシック・ファンから支持されることでしょう。一方、盛宗亮（ブライト・シェン）(1955-)や陳怡（チェン・ユイ）(1953-)は、すでにNAXOSやOUR RECORDINGSレーベルから録音がリリースされ続けているもお馴染み作曲家。こちらはグッと現代音楽らしく、色彩的な響きと金属的なリコーダーの響きがマッチしています。特に中国の簫（リコーダーの一種）奏者で作曲家でもある陳怡（チェン・ユイ）は、ペトリと共演するなど非常に親密な関係にあり、彼女の作品を熱心に取り上げ続けているペトリらしく激しい主張が感じられる演奏です。時にバルトークにも似たに冷たい空気を切り裂くかのような刺激的な音が満載の斬新な内容ですが、決して聴きづらさはありません。
ミカラ・ペトリ（1958-)はデンマーク生まれの世界的なリコーダー奏者。彼女は３歳でリコーダーを始め、1969年にはすでにソリストとしてデビューして話題になりました。彼女はソリストとして多くの有名オーケストラと共演し、膨大なレコーディングを行っています。音質も非常に優秀であり、SACDハイブリッド仕様なので、通常のプレイヤーでもお楽しみいただけます。OUR RECORDINGSは、リコーダー奏者のミカラ・ペトリとギター奏者ラース・ハニバルによる新しいレーベルです。薄型デジパック・ケースです。
