クラウディオ・アバド(指揮)/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
アンナ・ラーション(アルト)、ロンドン交響合唱団、バーミンガム市立少年合唱団
録音:1999年10月 ロンドン〈ライヴ・レコーディング〉
DG【ドイツ輸入盤】
1998年10月の来日公演でも大評判となったクラウディオ・アバドとベルリン・フィルによるマーラーの交響曲第3番。アバドは1980年にウィーン・フィルとこの作品を録音し、ロマンチックな美演として高い評価を受けていましたが、こちらはその約20年ぶり2度目の録音ということになります。自ら首席指揮者を務めていたベルリン・フィルということもあり、余裕すら感じさせる見事な演奏です。もともとエネルギッシュでスケールの大きいベルリン・フィルですが、むしろ穏やかで端正な表現でまとめ上げており、伸びやかで流れの良い演奏になっています。また、叙情的なパッセージにおける気品豊かな歌いまわしはアバドらしいところ。第6楽章では結末に向けて深みと緊張感がどんどん増していき、瑞々しく感動的に締めくくられます。終演後のブラヴォーと拍手の嵐にも納得させられます。