ＣＤ１：
１．オーベール／歌劇「マルコ・スパダ」序曲
２．アダン／歌劇「ジラルダ」序曲
３．ルコック／歌劇「アンゴー夫人の娘」序曲
４．トーマ／歌劇「ミニヨン」序曲
５．プランケット／歌劇「コルヌヴィルの鐘」序曲
６．オーベール／歌劇「レストック」序曲
７．アダン／歌劇「ニュルンベルクの人形劇」序曲
８．ボワエルデュ／歌劇「バグダッドの太守」序曲
９．マイアベーア／歌劇「予言者」より戴冠行進曲
10．マスネ／歌劇「ナヴァラの娘」序曲
11．グノー／歌劇「シバの女王」より第３幕のワルツ
12．ボワエルデュ／歌劇「白衣の貴婦人」序曲
13．ビゼー／歌劇「ドン・プロコピオ」より第２幕への前奏曲
ＣＤ２：
１．ドニゼッティ／歌劇「ロベルト・デヴェリュー」序曲
２．ロッシーニ／歌劇「トルヴァルドとドルリスカ」序曲
３．マイヤール／歌劇「ヴィラールの滝」序曲
４．オッフェンバック／歌劇「鼓手隊長の娘」序曲
５．ヴェルディ／歌劇「ジャンヌ・ダルク」序曲
６．エロルド／歌劇「ザンパ」序曲
７．ウォレス／歌劇「マルティアーナ」序曲
８．オーベール／歌劇「雪」序曲
９．ケルビーニ／歌劇「ケルビーノ」より第３幕の前奏曲
10．マスネ／歌劇「バザンのドン・セザール」からセビリャーナ
11．グノー／歌劇「ザモラの貢物」からギリシャの踊り
12．サン＝サーンス／歌劇「ヘンリー８世」よりジプシーの踊り
13．マスネ／歌劇「復讐の女神たち」より祈り
14．ドリーブ／歌劇「知られている王」より第２幕の前奏曲
リチャード・ボニング（指揮）／ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(CD1:1～8)
ロンドン交響楽団(CD1:9～13,CD2) 録音：1969-1972年
DECCA【ドイツ輸入盤】
「１９世紀の序曲とバレエ音楽集」といういまとなってはかなりレアな曲目ばかりを集めた貴重なアルバム。指揮のリチャード・ボニングは最近は活躍をあまり耳にしませんが、以前は知られざるバレエ音楽やオペラを次々に発掘し演奏することで有名な指揮者で、ずいぶんと面白い仕事をしています。このアルバムには、フランスを中心とした有名・無名の作曲家たちが残したいずれも珍しい序曲やバレエ音楽がチョイスされておりますが、どの曲も埋もれさせておくには惜しい珠玉の名品ばかり。序曲というある程度パターン化した音楽ばかりとはいえ、短い曲の中に素敵なメロディーと楽しいリズムに溢れたイキイキした音楽ばかりで、こういう音楽が好きという方もたくさんいらっしゃるに違いありません。
とりわけトマの「ミニョン」序曲やエロルドの「ザンパ」序曲、ボワエルデュの歌劇「バグダッドの太守」序曲など少しは知られたものはやはり素晴らしい作品で、もっともっと聴かれてもよい曲のはずです。またほとんど知られていない作品の中では、オーベールの歌劇「レストック」序曲などは、冒頭の哀愁を帯びた美しい旋律が大変印象的で、中間部はリズミックなダンス風で華やか。ボニングの演奏も丁寧で、生き生きしており素晴らしいものです。その他にも聴く人それぞれにきっとお気に入りになる一曲を見つけることができことでしょう。なお、録音は1970年前後と少し古いですが、ステレオ時代の大変美しい録音で、今なお優秀な録音といえるでしょう。フランスの粋で洒落た音楽が好きという方に強くオススメのアルバムです。
