カール・ニールセン（1865-1931）：
１～３．コムモーティオ Op.58(1931)
４～32．29の小前奏曲 Op.51(1929)
33～34．２つの前奏曲（遺作）(1930)
35．神よみもとに近ずかん
36．聖夜の夢
37．祝典前奏曲
イエンス・Ｅ・クリステンセン（オルガン） 録音：2003年、コペンハーゲン救世主教会
KONTRAPUNKT【デンマーク輸入盤】
近代デンマークを代表する大作曲家ニールセンの珍しいオルガン作品全集。ニールセンは最晩年に相次いでオルガン作品を手掛け、「コムモーティオ」や「29の小前奏曲」は25分前後もかかる力作です。「コムモーティオ」は、現代的な響きを交えたポリフォニックな音楽で、オルガンらしいダイナミックなサウンドは迫力満点。ニールセンの最後を飾るに相応しい覇気に満ちた野心的な作品といえるでしょう。しかし「29の小前奏曲」は、その正反対ともいえる優しさに満ちた音楽。中世やバロックの音楽が現代に蘇ったような古風なスタイルはちょっと懐古的ながら、美しいメロディーが素直に心に響きます。遺作となった「２つの前奏曲」は、もう魂が昇華してしまったような天上を連想させる音楽です。「神よみもとに近ずかん」、「聖夜の夢」、「祝典前奏曲」の３曲に至っては、このこだわりの全集ならではの収録曲で、なかなか聴く機会のない珍しい作品。「神よみもとに近ずかん」は、祈りを込めた美しい音楽ですが、最後にドカンと爆発する強烈な内容で、どこか描写的な物語性を感じさせます。「聖夜の夢」は、誰もが知っているあのクリスマスのメロディーを巧みに用いた文字通り夢を見ているような綺麗な音楽で
