ジャック・デュフリ(1715-1789)：
1. クラヴサン曲集第４巻よりド・ヴォカンソン
2. クラヴサン曲集第３巻よりフォルクレ
3. クラヴサン曲集第１巻よりメヌエット
4. クラヴサン曲集第４巻よりド・ドゥリュモン
5. クラヴサン曲集第３巻よりシャコンヌ
6. クラヴサン曲集第３集よりメデ
7. クラヴサン曲集第１巻よりロンドー
8. クラヴサン曲集第２巻よりヴィクトワール
9. クラヴサン曲集第２巻よりフェリクス
10. クラヴサン曲集第２巻よりド・ルドゥモン
11. クラヴサン曲集第４巻よりポトゥアン
ジョス・ファン・インマゼール（クラヴサン） 録音：1974年10月
使用楽器：ルッカース=タスカン（1646年アントワープ／1780年パリ、G. ティボー・コレクション）によるレプリカ。ヴァルター・メーネ1973年製作
ジョゼフ・ボダン・ド・ボワモルティエ(1689-1755)：クラヴサンのための組曲集 Op.59-1より
12. うつろな女
13. 女財産管理人
14. アルプスの女
15. ひよわな女
16. やせた女
ロランス・ブレ（クラヴサン） 録音：1967年12月
使用楽器：ノイペルト製モダン・チェンバ
ERATO(WARNER)【ヨーロッパ輸入盤】
ヴェルサイユ時代のフランス・バロック音楽は、王侯貴族が室内で楽しむためのクラヴサン音楽の全盛期で、クープランとラモーのみならず、様々な作曲家が百花繚乱のように名曲を生み出しました。それらは繊細で典雅な響きで、時に豪奢で壮麗な音楽を、また時に哀感漂う感傷を描き出し、さながらヴェルサイユの貴族たちの日記を音で綴ったかのようです。このアルバムは、当時大人気だったジョゼフ・ボダン・ド・ボワモルティエ(1689-1755)とジャック・デュフリ(1715-1789)のクラヴサン（ハープシコード）のための作品を集めたもので、それぞれ過去にＬＰでリリースされて話題となった名演です。
ジャック・デュフリは、名チェンバリスト＆名教師として活躍し、宮廷には仕えなかったものの、その名は広く知られていました。４巻からなるクラヴサン曲集は、その名声を示すような華麗で多彩な音楽であり、当時の上流社会で広く愛好されていたと言われます。現在ではピリオド楽器のオーケストラを率いる指揮者として名を馳せているインマゼールは、1970～1980年代にかけては専ら優れたチェンバロ奏者として活動しており、1973年のパリ国際チェンバロ・コンクール優勝の数年後にインマゼールが録音したこのったフランスの女性鍵盤奏者で、「クラヴサンのためのフランス古典音楽集」や「鍵盤楽器の歴史的名器」といった名盤により広く親しまれていました。このボワモルティエの録音も前者のアルバムからの抜粋です。ノイペルト製モダン・チェンバロを用いているせいか、音色は今聴くとかなり個性的ですが、ブレの伸びやかで闊達な演奏は今なお魅力的です。
