フランツ・シューベルト(1797-1828)：
ＣＤ１：交響曲第１番 ニ長調 D.82／交響曲第２番 変ロ長調 D.125
ＣＤ２：交響曲第３番 ニ長調 D.200／交響曲第４番 ハ短調 D.417「悲劇的」
ＣＤ３：交響曲第５番 変ロ長調 D.485／交響曲第６番 ハ長調 D.812
ＣＤ４：交響曲第７番（８番） ロ短調 D.759「未完成」
序曲 変ロ長調 D.470／イタリア風序曲 ハ長調 D.591
ＣＤ５：交響曲第８番（９番） ハ長調 D.944「ザ・グレート」
ペーター・マーク（指揮）／フィルハーモニア・フンガリカ 録音：1969年5月
DOCUMENTS【ドイツ輸入盤】
指揮のペーター・マークは、一部では大変な人気を持つ指揮者で、メンデルスゾーンの交響曲第３番「スコットランド」の録音は今なお不朽の名盤の誉れが高く、モーツァルトやベートーヴェン、メンデルスゾーンの交響曲などもぜひ一度聴いて頂きたい演奏ばかりです。確かにマークは有名な指揮者ではなかったかも知れませんが、このシューベルトをお聴きいただくだけでも、とんでもない実力者であることが分かっていただけるでしょう。また、フィルハーモニア・フンガリカは、ドラティのもとで結成された亡命ハンガリー人たちのオーケストラで、ハイドンの交響曲全集の録音で一躍有名になりました。
マークが指揮したシューベルトの交響曲は、かねてからTUXEDOやVOX、CONCERT ROYALなど様々なレーベルから単発で発売されていましたが、もともとは全集として録音されたものでした。このシューベルトの交響曲全集は、様々な歴史的録音を廉価なセットとして発売しているDOCUMENTS（MEMBRAN）レーベルからようやく復刻リリースされたもので、マーク・ファン待望の全集の発売となります。単体では聴くことのできなかった第１番や第２番も想像通り瑞々しく、いずれも水準の高い演奏ばかり。どの曲もマークらしい考え抜かれた表現の深さが素晴らしく、第３番や第４番はシャープすぎず適度に柔らかな表情が美しく、モーツァルトのような愉悦があります。第５番や第６番はマークらしいゆっくりしたテンポと穏やかな表現で、軽快な心地よい演奏です。特に第４番と第６番は屈指の名演といえるでしょう。そしてさらに第９番「グレイト」では一転して力強く、思い切りのよいダイナミックな演奏をするのに驚き。オケはいまひとつ荒っぽい部分があるものの、表現の彫りの深さはさすがで、力強い部分とロマンチックに歌う部分のメリハリがついていて、マークの至芸を堪能できます。
厚さ３センチを超えるボックス・ケースなので、宅配便での発送となります。
